会社が成長していくために、人材育成は大切です。

 

社員教育に力を注ぐ企業は多いですが、正しく運用し効果を上げている企業は実は多くありません。

 

「上司から社員教育について見直してと言われたけど、どうすればいいのかわからない」「どんな点に注意して社員教育を行えば良いかわからない」など、お悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

 

今回は社員教育の方法について教育手法の種類、教育の実施タイミング、社員教育の事例まで幅広く紹介していきます。

 

「社員教育」って何?

「社員教育」とは、“会社が社員に対して提供する教育全般”のことです。

 

組織として目指すべき姿や業務に関する知識・技術など、組織で働くために必要なことを、社員に教えます。

 

入社直後の入社研修はもちろん、キャリア研修や定期教育など、社員教育には様々な内容が含まれます。

 

「社員教育」の種類は?

社員教育の種類には、資格取得支援制度やOJT研修、e-ラーニング、キャリア面談、外部セミナー制度など様々なものがあります。

 

これらに該当していなくても、会社が社員に対して“成長の場”として提供している制度は、社員教育の一部と言って問題ないでしょう。

 

「社員教育」の目的を明確化しよう。

社員教育は明確な目的を持って実施する姿勢が大切です。

 

「どんな人材を育てたいのか」、「なぜこの研修を行うのか」といった明確な目的を持って社員教育を行うことで、社員教育の効果は高まります。

 

次項では、社員教育によっても得られる効果について説明していきます。

 

「社員教育」によって得られる効果

社員教育の定義が分かったところで、これによってどのような効果が期待できるのかを見みていきましょう。

 

1. 社会人としてのマナーや心構えの習得

入社直後のスキル・能力は、社員によって違いますが新卒や社会人経験の浅い方が対象であれば、ビジネスマナーなどの基礎から教育していくことでしょう。

 

社会人としての土台となる部分を固めるために、入社直後の研修は大きな効果があります。

 

2. 早期離職のリスクが減る

入社直後には「自分が希望した部署への配属じゃなかった」、「仕事内容が想像と違った」などのギャップによって早期離職が発生することがあります。

 

入社直後の「社員教育」では、会社のビジョンや具体的な業務内容、モデルキャリアなどを改めて伝えることでキャリアの理解につながり、早期離職のリスクを減らすことが可能です。

 

3. 会社の信頼度が上昇し、社員のエンゲージメント(満足度)が高まる

社員に丁寧な教育を行うことで、「会社は自分を必要としてくれている」と感じるようになり、会社への信頼度が上昇します。

 

その結果、会社へのエンゲージメント(満足度)が高まり組織全体の活性化が期待できます。

 

4. 会社全体の生産性が上がり業績の向上が期待できる

組織は、一人ひとりの社員の活躍によって成り立っています。

 

個々がレベルアップすれば、会社全体の生産性が向上し業績の向上が期待できます。

 

もちろん部署や配属先によって、求められるスキルは様々なので、個々に応じた研修をいっていくことが大切です。

 

「社員教育」は、どのタイミングで行う?

「社員教育」は、短期的なものではなく、長期的に社員の成長を支えるものでなければいけませんので、対象となる社員のスキルレベルや、実施のタイミングを考慮し、研修の内容を決めていきます。

 

では、実施する時期はどこが適切なのか、一般的に社員教育が行われることの多いタイミングについて紹介します。

 

1. 入社の段階

入社の段階は多くの会社が研修を取り入れています。

 

新卒社員や社会人経験の少ない方へは、ビジネスマナーやメンタルヘルスに関する基礎的な研修を行い、中途社員の場合は即戦力となってもらうための、商品やサービス、会社としての戦略などの研修を行います。

 

2. 配属時

日々の業務を教える際は、先輩社員と一緒に学ぶOJT(On-the-Job Training)教育で進めていくことが多いです。

 

実務の中で知識・スキルを学んでいけるので、よりスピード感を持って成長してさせることが可能です。

 

ただ、教育担当との相性にミスマッチがあると、早期の離職につながることも。常にフラットな立ち位置から相談できる教育担当の存在が大切です。

 

3. 昇進時

役職が上がると担当する業務の幅が広がり、責任も大きくなります。

 

そのため、プレイヤーとしては素晴らしい活躍をしていたという社員でも昇進をきっかけに活躍ができなくなるということも珍しくありません。

 

初めての昇進や更に上の役職へ昇進するといった際には、マネジメントやチーム運営に関する研修など、ポジションにあった研修を実施することで昇進後の早期活躍につながります。

 

4. 定期研修

同じ会社や業務に長く携わっていると油断や慣れが生じ、生産性が下がってしまったり、思わぬミスを起こしてしまったりする場合があります。

 

このようなことを防ぐために、定期教育が多くの会社で行われています。

 

定期研修では、キャリアプランニングや業務での目標設定、ストレスマネジメントなどの研修が行われます。

 

その他にも、定期教育という名前で社員同士の交流を深める交流会などを実施することもあります。

 

実際に「社員教育」を計画するための4ステップ

「社員教育」のカリキュラムを決める際に、「どこから決めればいいのか」と悩むこともあるのではないでしょうか。

 

「社員教育」を計画するためには、現状を正しく把握し、目標を定めることが大切です。

 

今回紹介する4つのステップを押さえて、「社員教育」を計画する際に役立ててください。

 

STEP1:問題点の洗い出し

まずは「社員教育」に関わる社員の方々に、現状をヒアリングし課題や問題点を洗い出します。

 

現状の問題点を正しく理解することが、質の高い社員研修の計画につながります。

 

STEP2:目的と日程設定

目的が曖昧な状態では教育をする方もされる方にも、不信感が生まれてしまいます。

 

「社員教育」のゴールや目標をしっかり定めて、目標が達成される日程を検討することが大切です。

 

企業に適した人材を明確化し、どのようなプロセスで目標の実現に近づけるのかをあらかじめ固めておくことで、より具体的な計画を組むことができます。

 

STEP3:カリキュラムの企画

ある程度計画に必要な情報が定まったら、実際にカリキュラムを作成します。

カリキュラムを作成する際、自社だけで考えていたのでは質の高いカリキュラムを作成することはできません。

 

そのため、他社の社員教育の事例を参考にしたり、社員教育関連のコンサルティングを利用したり、外部の情報を取り入れながら検討していきましょう。

 

STEP4:教育後のアフターフォロー

社員教育の効果を高めるためには、研修後の定着確認や反復練習といったアフターフォローが重要です。

 

アフターフォロー研修として習熟度を確認する機会を設けることで、研修の効果を最大限にすることができます。

 

フォローを行うのは、研修の2~3ヶ月後が一般的です。

 

また、教育が上手くいかない時に、研修プログラム自体を見直すことも必要です。

 

研修受講者の声にも耳を傾け、より費用対効果の高い研修になるように改善を行っていきましょう。

 

「社員教育」によく使われる教育方法

「社員教育」で一般的な方法を4つ紹介します。

 

OJT(On the Job Training)

OJTとは、「配属先で上司や先輩から実務を通じて学ぶ研修」のことです。

 

先輩のサポートのもと、簡単な業務から始めて、徐々に業務の幅を広げていくという方法が一般的です。

 

採用した人材を早期に戦力化するためには実務に基づいた教育のほうが効率的です。

しかし、OJTでは、

 

・配属部署・育成担当によって、成長スピードに差が出る。
・教育に割く時間がない現場だと、研修自体が手抜きになることがある。

 

といった点が懸念されます。

 

現場に任せきりにするのでは(なく、人事組織と密な連携を撮ることで懸念点を解消しましょう。

 

スキルレベル、社歴、職位など段階ごとに応じて実施する研修

全社員向けの研修もあれば、個々のスキルレベルや社歴、職位など、研修対象者の基準を定めた研修もあります。

 

このような研修では、社内研修と外部研修の特徴を理解した上で運用することが大切です。

 

一般的には、自社のビジョンや業界での立ち位置、業界の構造などの自社でしかわからない内容を研修する場合は自社の講師が実施し、ビジネスマナー・PCスキル、管理職研修など、どの会社や業界にも共通する内容の研修に関しては、外部に委託する方がコスト・品質的にも良いとされています。

 

eラーニング

インターネットを使用した勉強・研修手法として、eラーニングが注目を集めています。

 

動画などのデジタルコンテンツを使用した研修制度を整えることで、個々が好きな時間、場所で勉強できるようになります。

 

もちろん、管理者は個々の進捗を管理することができるので、何かあれば会社側からフォローすることも可能です。

 

懸念点として、顔を見ながら行う集合研修と違い、参加者のリアクションや受講態度を把握するのが難しいということが挙げられます。

 

その点に関しては、内容理解のテストを後日実施するなどして、フォローをするようにしましょう。

 

近年は、eラーニングよりも手軽に受講できるマイクロラーニングという学習法も注目されています。当サイトの「マイクロラーニングを活用して行う人材育成とは?」でも紹介しています。

 

社員教育を取り入れている企業の実例

では、実際に社員教育を取り入れている企業の実例をみていきましょう。

 

株式会社ネットサポート

株式会社ネットサポートは、サーバやネットワークなどの“情報システムインフラ”を支えるIT企業です。

 

ITエンジニア未経験も数多く採用しており、しっかりとした社員教育を行っています。

 

社会人としてのビジネスマナーから、プログラミングやネットワークの基礎まで、講義を通じて教えます。

 

ネットサポートの社員教育の特徴

・「社員の成長が会社の成長」という理念を掲げている。
・IT業界未経験でも安心して働ける仕組みが整っている。
・本人の希望を考慮したキャリアパスを尊重している。

 

ALH株式会社

ITベンチャーとして急成長を遂げるALH株式会社ですが、驚くべきポイントは「技術研修の充実」もさることながら、「農業研修」という独自の考えに基づいた研修を実施しているという点です。

 

“土をつくり、種をまき、育て、収穫し、売る」という一連のプロセスは、ビジネスに欠かせない要素がたくさん詰まっている。そんな想いのもと、農業研修を導入しています。

 

ALHの人材教育の特徴

・鳥取県にある自社ファームで農業研修が実施されている。
・技術研修が充実している。

 

「社員教育」を機能させることは、会社の成長に直結します。

「社員教育」を正しく機能させることは、社員のスキル・能力アップにつながり、社員の満足度も高まります。

 

自分の会社に対しての信頼が高まれば、社員のパフォーマンスも向上し、会社の未来も明るくなっていきます。

 

組織を強くしていくためには、「社員教育」の目的をしっかりし、適切に運用していくことが大切です。

 

「社員教育が上手くいってない」、「改善ポイントがわからない」とお悩みの場合は「社員教育」の目的や、原点に戻ってみるといいのではないでしょうか。

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