新卒採用の内定辞退率

内定辞退率は、内定を取得した学生数に対する内定辞退者数の割合のことで「就職内定辞退人数÷就職内定取得人数」で算出されます。

 

リクルートキャリア就職みらい研究所「就職プロセス調査 (2021年卒)「2020年10月1日時点 内定状況」」によると、2020年10月時点の内定辞退率は60.6%です。

 

その年によって変動はありますが、内定辞退率は6割前後の高い水準で推移しています。

 

また、リクルートワークス研究所「第37回 ワークス大卒求人倍率調査(2021年卒)」では、2021年3月卒の求人倍率は1.53倍です。

 

前年の1.83倍よりも0.3ポイント下落していますが、依然として高い水準を維持しています。

 

このような、売り手市場が背景にあることも、内定辞退率が高い原因と言えるでしょう。

 

新卒の内定辞退理由とは?

内定辞退の理由は時期によっても異なります。

 

ここでは、時期ごとに変わる内定辞退理由をご紹介いたします。

 

内定式前に想定される辞退理由

  1. 内定をもらっていた他の企業に心移りした
  2. 内定承諾後も就活を続け、他企業から内定が出た
  3. 口コミサイトなどで悪評を見て不安になった
  4. 大学院への進学が決まったた
  5. 公務員試験に合格したため辞退する

内定前は、給料や福利厚生といった待遇に関する質問はしづらいため、内定承諾後の交流会などを通して実態を探る傾向にあります。

 

その結果、イメージとのギャップを感じて辞退してしまう学生も多いです。

 

また、企業に提出する内定承諾書に法的拘束力がないことを知っている学生が、滑り止めとして内定をキープしておき、自分に合う企業を吟味して辞退するケースもあります。

 

内定式後~12月頃に想定される辞退理由

  1. 企業の内定フォローに不信感を持った
  2. 内定式や懇親会の様子を見て社風が合わないと感じた
  3. 事前に聞いた内容と実際の条件が異なることを知った
  4. 内定者アルバイトなどでギャップを感じた
  5. 入社までの出される課題が多すぎた、または難しすぎた
  6. 公務員試験などにチャレンジするため

内定式や懇親会で先輩社員や同期と触れ合い、企業の雰囲気を掴もうとする学生は多いです。

 

自分の価値観やイメージとのギャップがあまりにも大きい場合、「自分には合わない」と感じて辞退してしまうこともあります。

 

内定者アルバイトで実際に働いてみて、職務内容や人間関係などの実態を知り、辞退を決意する場合もあるようです。

 

また、この時期は「公務員試験には落ちたけど、どうしても諦めきれない」という理由で内定辞退する人もいます。

 

1月~3月に想定される辞退理由

  1. 留年が確定した
  2. 親に反対された(親ブロック)
  3. 入社前研修がきついたため勤務地や配属部署に不満があり辞退する
  4. 入社を目前に精神的に不安定になった
  5. 就業に影響が出るような体調の問題

この時期は、留年による内定辞退や、年末年始の帰省時に親の反対を受けて内定辞退されるケースが目立ちます。

 

親ブロックは近年増加傾向にあるため、親用のパンフレットや手紙など何らかの対策を講じる必要があるでしょう。

 

また「内定を獲得したい」という気持ちが強く働き、面接時に転勤や部署に対する希望を言わない学生も多いですが、いざ辞令が出ると不満を感じ内定辞退する学生も一定数います。

 

内定辞退率を下げる方法

これまでの手間や費用が無駄になる内定辞退は、企業にとって大きな損失です。

 

ここでは、どうすれば内定辞退を防ぐことができるのか、その方法についてご紹介いたします。

 

応募学生が何を基準に就職先を選ぶのかを把握する

学生から内定辞退を申し出られたら、必ず理由を聞きましょう。

 

留年や体調の問題など、企業側の対応ではどうにもならない理由は別ですが、ネックになっているポイントを把握することで改善・解消できる可能性があります。

 

ただし、あまりしつこく説得したり、反論したりすると逆効果になります。

 

学生の主張を受けとめた上で「こういう対応なら意に沿えると思うので、もう一度検討してみてもらえますか?」など、相手に選択肢を与えるようにすることが重要です。

 

また「○○さんのこういうところは、うちの社風にも合うし、自分も○○さんと一緒に働きたいと思っている」のように熱意を伝えるのも効果的でしょう。

 

内定者フォローを行う

内定者は「本当にこの企業で良いのだろうか」「上手くやっていけるだろうか」といった、漠然とした不安を抱えています。

 

そのため、内定辞退率を低下させるには、入社日まで寄り添って内定者の不安や疑念を払しょくすることが非常に重要です。

 

【定期的な連絡や面談】

学生は自分の周囲から内定先企業の話を聞く機会も多いため、内定後の連絡がないと疎かにされているように感じて不安になってしまいます。

 

電話やメール、SNSなどで定期的に内定者に連絡を入れてコミュニケーションを取り、信頼関係を構築しましょう。

 

ただし、あまりにも頻繁に連絡すると学生が負担を感じてしまうため、月1~2回程度に留めるのが無難です。

 

定期的に面談を行うのも効果的ですが、新型コロナウイルスの影響でリアルな場を設ける代わりに、オンラインによる面談を行う企業が増えています。

 

実施時期は内々定後から入社ごろまでで、内々定後は自社を選んでもらうために積極的な企業情報を開示し、内定後は不安や悩みをケアしましょう。

 

【懇親会や交流会などのイベント】

人間関係に不安を感じている学生が多いため、内定者同士や先輩社員と交流する機会を設けるのがおすすめです。

 

直接交流することで内定者や社員との親睦を深めることができ、不安軽減に繋がります。

 

クリスマス会や忘年会・新年会といった社内イベントに招待するのも一つの手ですが、強制参加にすると印象が悪化する傾向もありますので、イベントへの参加はできる限り任意にしましょう。

 

6月~9月ごろまでに、内定者同士や内定者と社員同士の一体感醸成に繋がるよう実施しましょう。

 

【内定者研修】

初めて社会人として働くことへの不安や仕事に対する不安を感じているため、e-ラーニングや通信教育による内定者研修の実施も効果的です。

 

内定者に学習機会を提供することで、入社後の研修を減らせるだけでなく、入社後のスムーズな就業にも役立ちます。

 

e-ラーニングや通信教育のコンテンツは、名刺交換や社会人としての心構えなどの基礎的なものから、職務上必要となる基礎知識・スキルを学ばせる専門的なものまで様々です。

 

10月~3月ごろの時期に行うとより効果的です。

 

【内定者アルバイト】

入社までの期間アルバイトとして実際の業務をしてもらうことで、即戦力化や帰属意識を高めることができます。

 

また、仕事への適性や内定者の本質も見えてくるため、配属先決定の判断材料にもなります。

 

実施時期は内定式実施後の10月以降が望ましいです。

 

しかし、この時期は卒業論文や卒業研究などもある忙しい時期でもありますので、状況を把握し負担の少ないやり方にする必要があります。

 

 

親ブロック対策

近年、親から反対されて内定辞退する学生が増えています。

 

「就職先の企業がどういう会社か分からない」ことが反対される大きな要因となっているため、内定者の親に自社を理解してもらうことが重要です。

 

例えば、

  1. 会社案内(パンフレットやDVD)や自社の商品を送付する
  2. 採用サイトに親向けのページを開設する
  3. 親向けまたは親同伴の会社説明会を実施する
  4. 親同伴の懇親会・食事会を実施する

といった方法があります。

 

親宛に提供される情報は、

  1. 経営ビジョン
  2. 事業内容や主要商品
  3. 仕事内容
  4. 職場紹介
  5. 社員の姿

などが提供され、親向けのメッセージも添えられていることが多いです。

 

 

面接内容を見直す

面接は、企業が応募者を見極める場ですが、応募者が企業を見極める場でもあります。

 

学生は、複数の選考を同時並行で受けているため、常に他企業と比較検討されていることを忘れてはいけません。

 

例えば、

 

受付時の対応…丁寧かつ迅速な応募者対応ができているか

オフィスの様子…オフィスの清潔感や来客者への挨拶ができているか

面接官の対応…誠実な言動や態度ができているか

 

などを観察し、入社志望の優先度を決めています。

 

特に、企業の代表である面接官は、入社意欲を左右させるほど重要な存在です。

 

エン・ジャパンの行った調査によると「面接官の行動や態度が悪かった」を理由として選考辞退を決定した人は約3割にも上ります。

(参考:辞退理由は、面接前・面接後・内定後それぞれの段階で違う。対策はどうする?

 

学生は面接官を通してその企業を判断するため、面接官の対応が悪いと企業イメージまで損ねてしまいます。

 

面接官は学生が対等な存在であることを認識し、誠実な対応を心掛けてください。

 

 

内定辞退率を上げてしまう採用活動とは

一般的な新卒採用は、「エントリー⇒選考(書類・面接)⇒内定⇒入社」のフローで進み、次のステップへ移行するごとに候補者が減少していきます。

 

採用担当者は「企業の発展のために人材を確保する」という重要なミッションがあるため、採用競争が厳しい中でも確実に人材を獲得する施策を講じなくてはなりません。

 

その施策の一つが、内定辞退を見越した母数の確保です。

 

どういうことかというと「採用の市場観や前年の内定辞退率を考慮して余裕を持った内定人数に設定しておけば、最終的に必要な採用人数は確保できるのでは」という考え方です。

 

こうした方針で採用活動を行う企業が多くなれば、学生の獲得する内定の数は増えます。

 

そして、内定の数が増えれば必然的に内定辞退率も増えてしまいます。

 

また、内定出しした学生が増えれば、内定者フォローを行うための手間や工数が掛かるため、マンパワーが必要です。

 

しかし、フォローにかかわる十分な人員が確保できなければ、信頼関係の構築や学生の不安・疑念を払しょくすることができず、内定辞退に繋がってしまいます。

 

つまり、こうした量を重視する採用活動が、結果的に内定辞退率を上げてしまっているのです。

 

新卒の内定辞退率を下げるには内定者フォローが重要

新卒の内定辞退率は6割前後の高い水準で推移しています。

 

企業にとって大きな損失となる内定辞退を防止するには、内定者としっかりとコミュニケーションを取ることが重要です。

 

内定者がどういった不安や悩みを感じているのかを把握し、それをクリアすることで信頼関係が構築されていきます。

 

内定出ししたからといって安心せず、入社するまで一人ひとりとしっかり向き合い、フォローを行いましょう。

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