GTDとは? 画期的なタスク管理で効率よく仕事を進める方法

タスクが増えて、管理にお困りの方もいらっしゃるでしょう。そこでおすすめしたいのが、画期的なタスク管理法で注目されるGTDです。

本記事では世界中のビジネスパーソンが実践している仕事術、GTDについてメリットや具体的なステップなどをご紹介します。

生産性と創造性を向上させ、効率よく仕事を進めたいとお考えの方も、ぜひ最後までお読みください。

 

GTDとは

GTD(Getting Things Done)とは、世界的に知られるタスク管理の仕事術の1つです。

「物事を成し遂げる」という意味の通り、GTDはやるべきことやタスクを整理して管理し、効率良く成し遂げる仕事の手法のことです。

 

GTDは、デビット・アレンというアメリカの経営コンサルタントによって考案されました。

初心者にも理解しやすい説明や具体的なアクションプランが書かれた彼の著書は、世界中で読まれています。

 

生産性低下の要因

GTDでは、業務の生産性を低下させる要因として、

  1. 情報のオーバーフロー
  2. 初動の遅れ
  3. 集中の欠如

の3点を挙げています。以下に、それぞれの状態について解説します。

 

情報のオーバーフロー 

処理しなければならない情報や業務量が膨大になり、その処理に要する時間やエネルギーが限界に達してしまう状態です。

 

初動の遅れ

多すぎる情報の整理や処理によって、初動が遅れてしまう状態です。

情報処理が追いつかないと、業務を実行する段階になっても何から手をつけたら良いかわからなくなり、初動が遅れます。

 

集中の欠如

頭の中に複数のタスクが混在しており、今しなければならない業務に集中できない状態です。

また、タスクに対する不安や優先順位のつけ方に迷いがある場合なども、注意力が散漫になる場合があります。

 

GTDは生産性低下の要因を解決する

GTDは、前述した業務の生産性を下げる3つの要因を、効率的に解決できる方法です。

以下に、GTDが提唱する生産性低下の要因を解決するための具体的な方法をご紹介します。

 

頭の中に置いておかない 

最初に、頭の中にあるタスクやToDoをすべて書き出して可視化します。

 

例えば、下記のようなものを書き出すのも良いでしょう。

 

  1. 実行に移そうと思っていたこと
  2. 課題として検討していたこと
  3. 新しいアイデア
  4. いつもこなしている業務

 

些細なことでも、頭の中に混在しているタスクやToDoをすべて書き出すのが大切です。

すべて可視化することで、GTDの完成度が高まります。手間と時間がかかる作業ですが、丁寧に行いましょう。

 

初めのアクションとゴールを決める 

頭の中にある気になることを全部書き出したら、それぞれ分類します。

分類したら、具体的な行動とアクションをいつ起こすのか決めましょう。

 

実行する段階ではなくタスクが発生した時点で、初動とゴールのイメージを明確にするのがポイントです。

ランダムに書き出したタスクを分類するには、下記のような指標をもとにするのも良いでしょう。

 

  1. すぐに取り掛かるか、後でやるか
  2. タスクの重要性から考える優先順位
  3. 自分が着手するか、他人に任せるか

 

一連の流れを整える 

タスクやToDoを分類してアクションとゴールを決めたら、インボックスに保存します。

インボックスとは、タスクを一時的に保存する場所です。

 

ToDoリストやメモアプリ、タスク専用のフォルダなどをインボックスとして作りましょう。

常に同じ場所に保存するのでタスクを確実に管理でき、インボックスからToDoリストへ結びつけるなど一連の流れを整えます。

 

GTDのメリット

GTDの活用で得られる、5つのメリットについてご紹介します。

 

集中力が高まる

集中力が高まる理由は、次のとおりです。

 

  1. タスクを適切に整理し分類するので、状況に適したタスクに取り組める
  2. 次に行うタスクを明確にできるので、具体的な行動を決定できる
  3. タスクに優先順位がつくので、時間を無駄にしない

 

以上のように、GTDの実践はタスクの整理と分類、優先順位付けを通して時間やエネルギーを無駄にせず、集中力を高められます。

 

ビジネスからプライベートまで一元管理できる

ビジネスパーソンであれば、仕事上でのタスク管理は率先して行っていることでしょう。

しかし、プライベートのタスクに関しては、同じレベルで管理するのは困難な場合もあるかもしれません。

 

GTDは、雑多な状態の頭の中を整理し効率化できるので、すべてのタスクの一元管理を可能にします。

仕事からプライベートまであらゆるタスクをカバーし、頭と心を整理できます。

 

生産性の最大化につながる

GTDは頭の中から気になることを取り除き、タスクごとに最適な行動を選択するためのメソッドです。

「効率を最大化するためにタスク管理をする方法」と言っても良いでしょう。

 

GTDを実践すると、集中力と行動力の相乗効果によって、生産性が向上します。

 

ストレスの軽減 

頭の中に雑多なことが溢れていると、意識があちこちに向き、注意力が散漫になります。

そのような状態では、思い通りにタスクを進めることができないので、大きなストレスを感じるでしょう。

 

GTDはやるべきことをリスト化して整理するので、頭の中をスッキリさせ、ストレスを軽減できます。

 

タスクの取りこぼしを防ぐ 

GTDは、やるべきことを見逃さないようにタスクを可視化できるメソッドです。

 

やるべきことを思い出した時に、リストに追加すれば忘れずに対応できますし、完了したタスクをチェックすることで、タスクの取りこぼしを防げます。

 

また、上司の異動やデータの更新、計画の変更など、状況の変化に合わせてGTDの情報を更新すれば、課題の把握もしやすくなるでしょう。

 

GTDの5ステップとコツ

GTDは、以下の5つのステップで成り立っています。

それぞれのステップについて、具体的な取り組み方とコツをご説明します。

 

STEP1.把握する

最初のステップは、頭の中にあるタスクをすべて書き出して可視化することから始まります。

重要なのは、タスクと呼べないような小さなことでも書き出すことです。

 

すべて取りこぼしなく把握するために、仕事でもプライベートのことでも、急ぎのものでもそうでなくても、気になっていることを全部頭の中からいったん外に出しましょう。

 

書き出しをするには、どのようなツールを使っても問題ありません。

紙のノートやメモアプリなど、さまざまなツールがあります。

アナログでもデジタルでも構いませんので、ご自身の使い方に合った方法を選びましょう。

 

可視化するためのツールを、GTDでは「インボックス」と呼んでいます。

複数のインボックスを使うことも可能ですが、管理能力が求められるためインボックスの数を増やし過ぎないことも大切です。

 

STEP2.見極める

書き出したタスクを分析し「見極める」のが、2つ目のステップです。

 

具体的には、STEP1で書き出したすべてのタスクを、即座に行うべきものと後回しにできるものとに分けていきます。

「見極める」ステップを丁寧に行うことで、取るべき行動と優先度が明確になります。

 

また、タスクの中に2分以内に完了できるものがあればその場で着手してリストから外しましょう。

この段階で即座に行うと判断した場合は、すぐに行動に移しタスクを完了させます。

 

STEP3.整理する

STEP2で見極め、分類したタスクを具体的な行動に落とし込む作業がSTEP3です。

以下に、整理する方法をご紹介します。

 

細分化する

同じカテゴリのタスクを、さらにリスト分けして細分化します。

仕事とプライベートやプロジェクトごとなど、分け方は自由です。ご自身が管理しやすいように分類できれば良いでしょう。

 

優先順位をつける

分類されたタスクに優先順位をつけて、取り組む順番をはっきりさせます。

優先順位の高いものには番号をつけて、すぐに始められる状態にしておきましょう。

 

ツールに落とす

タスクを実行できる段階まで整理したら、使用するツールに落とし込みます。

期日がある場合はリマインダーを設定し、優先順位をつけてToDoリストに加えるとタスクが放置されたままになりません。

 

STEP4.更新する

GTDは、1度取り組めば完了するものではありません。

インボックスに入れられるタスクは次々に追加されますし、分類されたタスクの重要度や緊急性も変わる場合があります。

そのため、タスクリストを定期的に見直し、PDCAサイクルを回してアップデートすることが重要です。

 

具体的には、タスクリストに書き込んだタスクが完了したら削除し、未完了のタスクの進捗を更新します。

 

すべてのタスクを見直して更新し、最新のタスクリストにすることで、やるべきことに集中できる“ストレスのない状態”を維持できます。

 

STEP5.選択する

STEP4まで完了したら、優先順位や期日などを考慮して、取り組むべきタスクを選択します。

すでにタスクは分類・整理されているので、迷うことなく今やるべきタスクを選択できるはずです。

 

タスク処理に有効なマトリクス

タスク処理には、以下にご紹介するマトリクスを活用するのがおすすめです。

重要度と緊急度に応じてカテゴリ分けし、タスクに優先順位をつける管理方法で、アメリカ第34代大統領のアイゼンハワーも用いたことから「アイゼンハワー・マトリクス」とも呼ばれています。

 

アイゼンハワー・マトリクスで重要なのは、重要タスクと緊急タスクの意味合いの違いを理解することです。

 

緊急タスクは、今すぐ対応する必要があるタスクで、完了できない場合明らかに影響が出るものを指します。

重要タスクとは、即座に対応する必要はありませんが、長期的な目標を達成するのに役立つタスクです。

 

重要かつ緊急なタスク

即座に取り掛かる必要があるタスクです。

締め切りがすでに決まっているタスクなど、すぐに実行しなければならない最優先のタスクを振り分けます。

 

重要だが緊急ではないタスク

急ぎではないものの、必要性のある重要なタスクです。

長期的な目標を達成するのに役立ちますが、すぐに着手する必要はありません。

最優先にするべき「重要かつ緊急なタスク」が完了したら、早急に取り掛かりましょう。

 

重要でないが緊急なタスク

緊急性はありますが、重要ではないタスクです。

タスクを完成させるのに特別なスキルは必要ないケースが多いので、他のメンバーに託すのを検討しても良いでしょう。

 

重要でも緊急でもないタスク

重要でもなく、緊急性もないタスクです。

このカテゴリに分けられるタスクは、目標の達成を妨げるため削除しましょう。

 

GTDの習得には時間がかかる

GTDとは、デビッド・アレンが提唱する世界的に有名な仕事術で、以下のメリットがあります。

  1. 集中力が高まる
  2. ビジネスからプライベートまで一元管理できる 
  3. 生産性の最大化につながる
  4. ストレスの軽減
  5. タスクの取りこぼしを防ぐ

 

このように、GTDを実践することで効率的なタスク管理やストレス解消に役立ち、さまざまなシーンで生産性を高められます。

 

また、GTDは次の5つのステップで実践できます。

  1. 把握する
  2. 見極める
  3. 整理する
  4. 更新する
  5. 選択する

 

習得に時間がかかるとされるGTDですが、不完全でもまずは取り組んでみることが重要です。

デビット・アレン氏の著書を読むところから始めてみてはいかがでしょうか。

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