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■人事労務管理とは

まずは「人事」と「労務」、それぞれの業務内容を確認しましょう。

 

端的に説明すると、「人事」は社員個人を対象にした業務であり、「労務」はその対極で、会社全体を対象にした業務です。

 

戦前まで遡ると、ホワイトカラーを対象とする「人事管理」とブルーカラーを対象とする「労務管理」は別々に扱われていましたが、現在は両者を合わせて「人事労務管理」と呼ぶのが一般的になっています。

 

ここではあえて両者を分けてご説明しましょう。

 

 

■人事管理とは

人事は読んで字の如く、人員の配置や採用、人材教育といった「ヒト」に関する業務を指します。

 

「ヒト・モノ・カネ」という経営に必要な3要素がありますが、ヒトが最初に来ているのは人材の確保が最優先だからであり、人材確保や配置を司る人事は社内でも重要なポジションを占めます。

 

 

■労務管理とは

労務は社員に安心して働いてもらうための手続きを行うのが主な業務です。

 

例えば、給与計算や勤怠管理、社会保険の手続き、健康診断の対応などが挙げられます。人事との垣根は失われつつあるため、人事異動や採用活動に携わることもあります。

 

人事とはアプローチが異なるものの、こちらも「ヒト」に関わる仕事が大半を占めています。

 

その大きな目的は、企業活動で大きな割合を占める「人件費」を抑えつつ、社員のモチベーションを保つ環境づくりに努めること。

 

企業が利益を上げる上で、こちらも欠かすことのできない業務と言えます。

 

少子高齢化が今後も加速していく日本において労働力の確保は重大な課題であり、社員の長期の活躍を支える労務管理の役割は、これからさらに大きくなっていくことが予想されます。

 

 

■なぜ人事労務管理が必要なのか

一時期、人事労務管理を含めたバックオフィス部門をアウトソーシングする動きがありました。

 

しかし、経営戦略に必要なデータが外部に置かれることによってスピーディな経営戦略を立てづらくなったという問題が指摘されるようになり、インソーシングに戻っていったのです。

 

この事例ひとつ取ってみても、人事労務管理が整えてきた社内の環境や蓄積したデータが企業の経営に必要不可欠であることがわかると思います。

 

人事労務管理の担当者がいない状況を考えてみると、その重要性がより浮き彫りになるでしょう。

 

各部署で勤怠管理をすることはできても、社員一人ひとりがしっかり働いているかを正確に管理できる人がいなくなります。

 

「安全衛生管理」と呼ばれる健康診断やストレスチェックもおざなりになり、労働環境と社員の健康状態を気遣う余裕がなくなっていくのです。

 

そうした状況が続けば全体のモチベーションは下がり、労働環境に不信感を覚えて退職する社員が増えるという悪循環が生まれ、企業活動を維持することができなくなります。

 

企業の存続に労働環境の整備は必須であり、それを担う人事労務の存在もまた、決して欠かすことができないのです。

 

 

■人事労務管理を行う上での注意点

・自制心と責任感

社員の働きや成果、環境を管理し、企業の経営活動を大きくサポートすることが人事労務管理の役割ですが、管理も度が過ぎれば柔軟性に欠けた監視体制が出来上がってしまいます。

 

会社における人事権の一部を担うと、社員の権利を掌握しているような気分になるかもしれませんが、人事労務に携わる方もまた一社員であり、他の社員より上の立場にいるわけではありません。

 

だからこそ自制心を持ち、責任ある行動を心がけなければなりません。

 

・倫理観と常識

担当者の方は労基法などに従ってコンプライアンスを周知徹底させることが必要ですが、それも人事権を振るって強要することがあれば、社員のモチベーションにも悪影響を与えます。

 

重要なのは、自社における適切な対応が何かを考えながら、企業の人間として意識すべき倫理観や常識と自身の行動を照らし合わせてみることです。

 

さらに独断に依らず、各部署の責任者や経営幹部とも密に連携した管理を徹底できれば、常に最善を追求し、社員の働きやすさに寄与する人事労務管理を遂行できるでしょう。

 

 

■まとめ

人事労務を淡々と業務をこなす事務要員のように思う方もいるかもしれませんが、そんなイメージとは裏腹に、人事労務の仕事の成果はコミュニケーションスキルや仕事に対するモチベーションに大きく左右されます。

 

「会社の体制をさらに改善させたい」「社員に気持ち良く働いてもらうことにやりがいを感じる」といった志向を持つ方にこそ向いている仕事と言えるでしょう。

 

年功序列、終身雇用といった概念が崩れつつある今の日本において、人事労務管理の徹底は企業のさらなる発展と同義と言っても過言ではありません。

 

管理を担う方は責任感を持って業務に取り組み、周囲の方は担当者の働きをしっかりとサポートしてあげるようにしましょう。

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