昨今、よく聞かれるようになった朝活。
聞いたことはあるけど、実際どんなメリットがあるのか分からないという方もいるのではないでしょうか。
実際に導入している企業では、労働時間の短縮、生産性の向上など、多くのメリットが産まれています。
今回は、朝活についてのメリットを導入事例と合わせてご紹介していきます。
朝活とは?
「始業前の朝早い時間に行う活動」=「朝活」です。
早めに起きて始業までの空き時間に資格取得の勉強や、趣味の時間、自分磨ぎなどを行います。
現在では個人での活動だけでなく朝に集まってスポーツや市民講座を受講するなど、活動の幅が広がっています。
さらに、企業として朝活を取り入れている場合もあります。
始業前から業務に取り掛かることで集中して取り組むことができ、心理的余裕が生まれます。
そのため、短時間で質の高いアウトプットを出すことができます。
また、朝のうちに負担の大きい仕事を片付けることができるので、一日の仕事のスピードが上がり、時間短縮に繋がり夜の残業削減にも効果があります。
朝活を利用することで、夜の残業を減らすという企業の課題も解決に向かうことができるでしょう。
メリット
通勤ラッシュに巻き込まれない
8~9時始業の会社であれば、朝の通勤ラッシュに巻き込まれながらの出勤が常です。
出社するまでに、疲弊している経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
「通勤ラッシュが嫌で転職した」という話もあるくらいなので、朝活を取り入れ通勤ラッシュを回避できるようになることは、社員にとっても、企業にとってもメリットになります。
頭がスッキリしている時間
充分に睡眠を取った後なので、朝は頭がスッキリとしていて、何かを考えたり、仕事をするにはベストな時間帯だといわれています。
その時間を使って、会議や業務の効率化を図ることができるでしょう。
社員のモチベーションや効率を上げられるのが魅力です。
導入の注意点
作業効率の上がる朝だからこそ、メールチェックやタスク管理といった簡単な仕事ではなく、頭を使った作業がオススメです。
朝活を導入している企業では、社内会議やセミナー、勉強会を実施する企業が多いといいます。
企業が主体となって朝活を行うに当たって重要なのは、社員に無理のない範囲で行うということです。
朝早くから出社してもらうためには、その分退社時間を早くする、自由参加にするなど、不満が出ないような対策が必要です。
夜型で働いてきた人を朝方にシフトするのは、簡単なことではありません。
朝早く来て、定時で帰れるように仕事を終わらせた社員をしっかりと評価することで、「頑張って成果を出せば、きちんと評価してもらえる」という風土が広がり、社員のモチベーションアップにも繋がるはずです。
せっかく導入するのであれば、社員と企業どちらにとってもメリットのある活動にしていきましょう。
導入事例
伊藤忠商事
朝活を積極的に推奨し、生産性を上げている伊藤忠商事の好事例を紹介します。
始業前の時間に対しては、朝の残業代として深夜勤務と同額の割増額で給与が支払われています。
さらにサンドイッチやおにぎり、スープやフルーツなど約30種類から選べる朝食が無料だそうです。
残業代や朝食支給でマイナスになっているのでは?と思われるかもしれませんが、夜の残業が削減され、労働時間が全体的に短縮されることで、結果的に残業代削減に繋がっているといいます。
伊藤忠商事が成功した理由は、社員にとって明確なメリットがあったことでしょう。
朝方勤務をすることで、作業効率が上がり、給料もきちんと支払われ、朝食まで付いていることから、社員も動いたのではないでしょうか。
経営者だけが理想を掲げ、社員に強制しても、誰も付いては来ません。
「きちんと働いて会社が良くなれば、自分にその分返ってくる」という信頼を持たれることが大切です。
まとめ
朝方勤務は社員、会社、双方にとってメリットが大きいものです。
しかし、搾取するだけの一方的な関係では、夜型から朝型にシフトするのは難しいでしょう。
また、個人、個人の体質もあるため、絶対に朝残業が良い!と強制できるものでもありません。
お互いに満足し合えるように、制度を整えるのが重要になるでしょう。
残業を減らしたい、生産性を上げたいと悩む企業の方は、上記に留意して取り組めば、成功への近道となるのではないでしょうか。