SNSはご存知の通り、情報の発信・共有・拡散を特長とし、誰でも簡単に利用できる便利なサービスです。
しかし、軽い気持ちで投稿した内容が、その特性である「拡散」によって多くの人々の目に触れ、思いもよらない事態に発展してしまうことがあります。
今回は、そんなSNS上で起こってしまう「炎上」について、企業としてどのように対策を講じてくべきかご紹介します。
従業員のSNS対策、していますか?
「個人のSNSはプライベートのことだから」とお考えの人も多いでしょう。
しかし実際、2013年頃から従業員による投稿が炎上し所属店舗や氏名などの個人情報まで特定され、結果的にその従業員が属している企業が対応に追われるというケースが多く見受けられています。
IT系企業においても、公開前の情報を個人SNSで公開して炎上してしまい、会社の信用問題にまで発展してしまった事例もあり、従業員に対する注意喚起の重要性は年々高まっているといってよいでしょう。
多くの人々が様々なSNSを利用しコミュニケーションを楽しんでいる今だからこそ、従業員の投稿による「炎上」に対して、会社としても万全の対策をとることが必要とされているのではないでしょうか。
社員のSNSを禁止することはできない
もっとも安全な処置を言うのであれば社員によるSNS利用の禁止することですが、法的に無効であることはもちろん、SNSが一般化している現在においては社員からの反発も多く現実的ではありません。
さらに職種によってはSNSを通じて業務上の人脈形成や顧客とのやりとりを行っている場合もあるため、新たなビジネスチャンスや、個人の成長のチャンスを摘む可能性もあります。
また、会社が個人SNSのIDを管理し、投稿される内容を日々チェックするという対策をとっている企業もありますが、本来自由に利用できるはずのSNSを監視されることに抵抗を感じる社員も多く、社員との争いへと発展する可能性があるため、あまりおすすめではありません。
それに加え、大半のSNSでは複数のアカウントを作成できることもあり、手間と時間だけがかかってしまい実質的な効力はないとも言えるでしょう。
炎上してしまった際の対策
もし、従業員のSNSが炎上してしまったら企業はどう対応すれば良いのでしょう。
従業員によるSNSの炎上後、うまく対応した企業の対応を見てみると、以下の三つを徹底していることがわかります。
対応のスピード
情報が拡散され始めると同時に、事実関係を確認する旨を発表します。
日頃からSNS内で自社に関する内容を観察していたことで、早い発見につながったのでしょう。
進捗の透明性
長時間に渡って企業からの報告がないと、不信感をあおり炎上を加速させてしまう恐れがあります。
行っている調査内容を開示したり、判明したことを報告するなど、進捗状況をしっかりとその都度発信しましょう。
情報の一貫性
謝罪=認めると捉えられてしまう可能性もあるため、事実関係を確認できるまでは不用意な謝罪はしないようにします。
また、事実関係が判別できていない段階で何かを断言してしまうと、事実確認後に二転三転してしまい、不信感へと繋がってしまいます。
焦らずに、事実関係を確認した上で弁明、謝罪、対策などを適宜発表しましょう。
上記のような真摯な対応を心がけることで「拡散」のスピードや「炎上」による話題性も随分変わってくるでしょう。
事前にSNSガイドラインの策定がおすすめ
社員のSNS利用の禁止は現実的ではありませんでしたが、様々な方法で従業員に注意を促すことはできます。
その一つは「SNSガイドラインの策定」です。
過去の問題となった事例をあげつつ、どんな投稿をしたらどんな影響があるのかなどをしっかりと明記したガイドラインを作成し、新入研修はもちろん、臨時の教育研修を設け周知させると同時にそのガイドラインへの契約書を提出させます。
また、会社の就業規則としてSNSにおける機密情報の漏洩行為や、会社の信用・名誉を傷つける行為の禁止、行った場合の処分などの旨を明記する企業も増えています。
この「SNSガイドライン」による社員の教育、就業規則として周知させる二点を徹底することで、従業員のSNS利用への意識の改善となるでしょう。
まとめ
“SNS利用の禁止”は現実的ではありませんが、教育・規則という観点から、SNS利用に潜む危険性を従業員に意識付けることは比較的容易に可能です。
それでも不安という方は、それに加えて、仕事の合間にSNS上での自社に関する投稿を監視する業務を日頃から行っていれば、一先ず万全と言えます。
個人でのSNS利用が一般化している今、業界問わずこういった問題が起こる可能性を秘めています。
是非、あなたの会社でも従業員によるSNSの炎上対策をとってみてはいかがでしょうか?