仕事内容はもちろん、休日や福利厚生に関しても不満はないが出社するのが辛い…。
実は職場の人間関係を理由に退職する人は、年々増加傾向にあります。
ストレス耐性が高くコミュニケーション能力がある人でも、”人間関係”の影響を受ける可能性は十分あります。
今一度、社内の人間関係について考えてみましょう。
職場の人間関係は“離職率”に直結する
総合求人・転職支援サービス エン・ジャパン株式会社が2018年8月29日~9月25日の期間で転職サイト利用者を対象に「職場での人間関係」についてアンケートを実施しました。
(回答10,776名)
アンケートの回答から転職者の半数以上が「人間関係が転職のきっかけになったことがある」と回答。
また、転職に至らなくとも8割以上が「今までの職場で、人間関係に難しさを感じたことがある」と回答。
厚生労働省から発表されている「平成28年雇用動向調査結果」では、”職場の人間関係が好ましくなかった”という回答は男性6.2%、女性12.2%という結果が出ています。
中でも、男性は30~40代、女性はどの年齢においても職場の人間関係が離職理由に繋がっていることが調査結果で分かりました。
どちらの調査結果からも、離職率の高さや転職理由が一概に収入面や福利厚生だけではなく、職場の人間関係にも関係していることが明らかになっています。
人間関係を悪化させる原因を把握する
では離職に繋がる人間関係の悪化は、一体何が原因なのでしょうか?
どれだけ仕事にやりがいを感じていても、年齢・性別・役職・考え方の異なる他人との共同作業をする場所である職場。
仕事上のコミュニケーションは必要不可欠となります。
人間関係から業務そのものや仕事への意欲の低下に繋がることも、少なくはありません。
では、具体的な人間関係トラブルの原因を4つ解説します。
同僚と反りが合わない
人間だれしも、対人に関しても得意・不得意があります。
その中でも一緒に仕事をする機会が多く、お互いにわだかまりを持ったまま、更に人間関係が悪化してしまうケースが多くあります。
上司に不平・不満がある
「仕事ができない上司のもとで働いていてイライラする」というケースや、逆に威圧的な態度で部下の話には耳を貸さない上司に自分の意見を言えないままストレスを溜め込んでしまうというケースもあります。
また上司との信頼関係が構築できず、仕事自体の評価に不満を感じてしまうこともあります。
部下と信頼関係を築けていない
部下のやる気が見えない、思うように応えてくれないなど衝突する回数の多い関係性の中で、お互いのコミュニケーションがうまくいかずに部下から敵対心を抱かれてしまうケースも多いようです。
職場内のグループや派閥のトラブル
人が集まるとちょっとしたキッカケからグループができやすいです。
もちろん職場も例外ではなく、グループや派閥があるところも少なくありません。
派閥争いやグループ内での人間関係が合わず、最終的に孤立してしまうこともあります。
人間関係を改善するためにすべき3つのこと
上記であげた内容はあくまで代表的な原因の一部ですが、人間関係は社内雰囲気に直結してきます。
社内の雰囲気をよくするためには、やはり社員同士のコミュニケーションが欠かせません。
円滑なコミュニケーションを取るために取り組みやすい方法は下記です。
挨拶をする
基本中の基本とされている「挨拶」を徹底することで、社内コミュニケーションの土台を形成することができます。
また、挨拶は会話のきっかけになることもあります。
まずは些細なことから徹底、始めていくことが大切です。
先入観を無くす
時に先入観から苦手意識を持ってしまう場合もあります。
第一印象で判断せずに積極的に会話する機会を作ることで誤解が解消される場合があります。
相手の話を聞く
コミュニケーションを取ることに苦手意識があるため、良好な人間関係を築けないという方もいます。
自分が無理に会話を広げようとするのではなく相手に話してもらい、相手の話をよく聞くことで相手の理解を深めることができ、信頼関係を構築することができます。
あくまで一人ひとりの行動や意識の改善が、よい人間関係の形成には必要です。
場合によっては異動、組織改編も考える
理不尽な暴力やセクハラ、パワハラなど、時には意識の改善やコミュニケーションを取るだけでは解決できない問題もあります。
こうした理不尽な原因から人間関係がうまくいかない場合、ひどい場合はうつ病や慢性的な体調不良になるケースが年々増加しています。
しかし、暴力やセクハラ、パワハラなどの加害者側にも発達障害や人格障害、心理的なトラウマなどが原因の場合もあります。
この場合、職場での人間関係を割り切ることも難しく、個人間でのやり取りでは解決が難しくなります。
こうした理不尽な原因の場合は、企業側で適切な対応をしていくことが必要となります。
最終手段として異動や組織改編など、原因となる人物を現在の人間関係から切り離すことも一つの改善策と言えるでしょう。
まとめ
毎日同じ空間で顔を合わせ仕事を行うからこそ、社内の人間関係はどんなに些細なものでもストレスとなります。
こうしたストレスに耐えられず体調を崩す人、転職をする人が後を絶たないのも現実です。いくら企業側が社内のコミュニケーションや雰囲気作りに注力しても、最終的には個人の行動を見つめ直し、行動を起こすことが必要です。
だからこそ企業側としては、社員の悩みを積極的に聞く機会を設ける、マインドセミナーの実施など、社員自身が人間関係について考える時間を設けることで、職場の人間関係の改善に繋がっていきます。