最近よく耳にするようになった「働き方改革」ですが、具体的にどう進めていけば良いのか、 何から取り組めば良いのか分からないという声が聞こえてきます。
そこでこの記事では「働き方改革」の事例を分析し、取り組み方についてご紹介します。
働き方改革とは
日本の社会的な問題になっている「少子高齢化」問題や、企業だけでなく国全体にかかわる問題となっている「労働環境」を改善すべく“一億総活躍社会”実現に向け提唱されたのが、安倍晋三内閣による「働き方改革」です。
このタイミングで改革を掲げた背景には、生産年齢人口が総人口を上回るペースで減少していることが挙げられます。
このままでは、国の生産力低下・国力低下は避けられないとして、本格的に「働き方改革」に乗り出しました。
労働力不足解消の具体的な対策として
◆働き手を増やす(労働市場に参加していない女性や高齢者)
◆出生率を上げて将来の働き手を増やす
◆労働生産性を上げる
の3つの対応策が考えられています。
これらを実現するために、3つの課題が出てきています。
◆長時間労働
◆非正規と正社員の格差
◆労働人口不足
上記を解消すべく、現場では具体的にどういう対策が必要なのかご紹介していきます。
STEP1:目標を定める
まず取り組むべきなのが働き方改革の目標設定です。
理想的なのは、経営トップ自らが中心となって事業を進めることですが、難しい企業も多くあると考えられます。
ボトムアップで改革を進めていくためには、目的を経営トップにしっかりと理解してもらい、協力を得ることが先決です。
働き方改革と言えば、ワークライフバランスの実現、生産性の向上、継続雇用を目的とすることが多いですが、経営トップへの伝え方としては、組織力向上、競争優位性の獲得、イノベーションの創出と変換して説明し、きちんと納得してもらうことが大切です。
経営トップに理解を得たあとは、関係する部署・メンバーに協力をお願いすることが必要となります。
「うちの部署は聞いていない」など途中で頓挫しないための有効な手段となるでしょう。
STEP2:解決策を考える
目標設定ができ、協力が得られたなら、何から始めるか考える準備が整います。
◆長時間労働の是正
◆人事評価制度の見直しなど経営者管理職の意識改革
◆出産直後からの男性の育休取得の促進
◆ワークライフバランスに向けた環境設備
◆女性の活躍推進
上記のいずれから始めたとしても、巡り巡ってほかの項目もカバーできていることが多いです。
例えば、裁量労働制の導入や、是正実現のためのフレックスタイム制の導入を行った場合でも、経営者の意識改革や人事評価制度の見直し、女性の活躍推進など複数の項目を達成できそうです。
女性の活躍を推進させたい!として、テレワークの導入が決定した場合、ワークライフバランスが実現できます。
そして男性の育児参加率が向上し、女性の活躍推進も男性の育児休暇取得にも繋がる可能性が増えます。
本社移転を機に働き方改革を進める場合、Web会議の導入により移動時間の削減、フリーアドレス制の導入にあたりテレワークの導入をし、結果として長時間労働の削減・生産性の向上も実現でき、投資を回収することが可能になってきます。
このように何から始めるかは企業によりさまざま。
「今何が会社にとって必要か」を考えることが重要です。
STEP3:実行する
実際にどのように働き方改革が行われているのかいくつか事例をご紹介します。
テレワーク(在宅勤務)
テレワークとは、「ITを利用した、場所・時間にとらわれない働き方」として定義されており、育児や介護などの事情のため在宅で働きたい社員にはもちろん、企業にとっても
・通勤・交通費の削減
・休業からのスムーズな復帰支援
・障がい者雇用
の点でメリットがあります。
導入するにあたって、「リスク管理」「コミュニケーションの確保」「勤怠管理」「情報漏洩リスクの防止」を適切に行う仕組みが求められます。
長時間労働の削減
改革の一番の柱となっているのが、長時間労働の削減。まずは以下のような政策に取り組む企業が多いようです。
・定型作業の廃止
・残業、休日出勤の禁止
・残業の事前申請化
・残業恒常化の要因分析と対策
・残業フローの見直し
ただ単に残業禁止・制限するだけでは、長時間労働は改善されません。
なぜかというと、社員が自宅に仕事を持ち帰ったり、一旦帰ってから仕事をしに戻ったりするということがあるからです。
そのため、先ほど紹介したテレワークや、時短勤務制度、休暇の奨励などを組み合わせることで、社員が柔軟に働けるようになるはずです。
まとめ
このように企業によって「働き方改革」の取り組み方はさまざまです。
自社に最も合う制度は何かを見出し、周囲の理解を得ることが実現への近道になるはずです。
これから働き方改革を実施していきたいという企業の方は、今回ご紹介したテレワークや長時間労働の削減、その他にも育児休暇、短時間勤務制度、フレックスタイム制度などを組み合わせて導入してみることをおすすめします。
それぞれの制度が相互に作用して従業員の働きやすさを向上されてくれるでしょう。