会社の売り上げを左右する「営業職」は、この採用難の時代において特に引く手あまたの職種となりました。
しかし売り手市場となった採用市場では、専門職と比較すると未経験者が挑戦しやすい職種であることで、「応募数が増えやすい」という特徴も持っています。
そこで今回は、ポテンシャル採用をするメリットをご紹介します。
営業経験ナシの人材を採用するメリット
「営業経験者」といっても、その経験の内実は様々なもの。
とても心強く聞こえるフレーズですが、詳細を書き出すと「即戦力となりうる優秀な営業経験者」と「実績がイマイチの営業経験者」に分かれます。
前者の場合は特に問題はありませんが、後者の場合は、間違った営業方法で売り上げを伸ばすことができておらず、また、心強いはずの“営業経験”が長ければ長いほど営業方法の矯正も難しく…と、困ってしまう可能性があるでしょう。
特に人材不足が深刻化していく現在、「即戦力になる経験者が来てくれた!」というラッキーを待ち続けるわけにもいきませんよね。
一方で、時間をかけて取得する資格や特有のスキルを身につける必要のない「営業職」は、専門職と違って未経験者が挑戦をしやすい職種です。
そして、未経験者の場合は「営業職で働きたい!」と高いモチベーションを持って入社をしてくるので、向上意欲を持った「磨けば光るダイヤモンドの原石」である可能性が非常に高いと言えるでしょう。
早期育成ができる可能性を持つ未経験者は、数年後には自社のエースとして大活躍しているかもしれません。
素養がある未経験者を募集することで、有望な人材を逃さない採用活動を行いましょう!
前職の経験をチェックしてミスマッチを防ぐ
では、どのような人材であれば「素養」があり、社内で育成できるのでしょうか。
資格・スキルが必要のない未経験者募集の場合は、社会人歴が極端に短い人や、第二新卒、非正規雇用(フリーター、契約社員etc)で働いている人から、エンジニア、料理人、保育士、デザイナー、整備士など様々な経歴を持った人が応募をしてきます。
営業の経験者に比べて、格段に選択肢は広がりますが、見境なく全ての人を受け入れていると営業職への適正がない人を採用してしまい、結果、「高い離職率に繋がってしまった…」と新たな悩みのタネが生まれかねません。
選考でチェックするべき重要なポイントは、営業経験者と同様に「前職の経験」にあります。
顧客や仕入れ先、経営者と円滑にコミュニケーションを取る必要がある営業職の場合、「接客・サービス業」の経験がある人が適切です。
【例】
・小売店、販売店での接客経験
・飲食店でのホール経験
・テレフォンアポインター
・コールセンタースタッフ
・フロントスタッフ など
他人とのコミュニケーションが日常的に発生する職種を経験している未経験者に絞り込み、逆に、全く関係のない職種を経験している人は選考から外すというのも一手です。
適性診断を利用して見極める
書類選考で過去の職歴を確認し、応募者をある程度絞り込んだ後は、面接と共に適性診断での見極めも実施してください。
様々な立場のある人と円滑にコミュニケーションが取れる能力以外にも、多岐に渡る仕事を同時並行で進行する「管理能力」と、効率の良い「事務処理能力」、交渉・調整で発生する「ストレスへの耐性力」なども営業には見逃せないポイントです。
管理・事務処理能力に関しては、新卒採用の際に導入をしているシンプルな学力試験で判断ができるため、中途採用にも流用をする形で活用をしてください。
本人が生まれ持った素質に左右されがちな「ストレス耐性」と「コミュニケーション能力」に関しては、入社後の育成で、早期に身につけることが非常に難しい能力です。
そのため、既に適正を持っている人を選考にあげることが採用活動の成功に繋がります。
育成することで早期に戦力となりうる人材を見極めてください。
採用後の注意点
未経験者の採用に成功をすると、次の段階は「育成」に移ります。
上記でも解説した通り、未経験者を採用のターゲットとした場合、採用となった人は社会人経験の浅い若年層や非正規雇用として働いていた人です。
そうした経歴を持つ人が、会社の顔として営業活動をできるように、ビジネスマナーの研修からスタートをしましょう。
敬語の正しい使い方や名刺の渡し方、電話の取り方、メールや書類の書き方など、基礎からの指導が求められます。
また、定期的な「メンタルケア」も欠かせません。
未経験者が入社をして最初の数ヶ月は、教わった知識を武器に実戦で多くの壁を乗り越えなければいけない時期。
未経験者が陥りがちなトラブルや顧客との問題を一人で抱えたままでは、せっかく採用をした貴重な人材が挫折とストレスにより退職をしていまいます。
日報でのパフォーマンスチェックや面談、ミーティングなどでケアをしてください。
また、実際にそういった問題を体験している「元・未経験者の営業」をOJTでの教育担当に据え、フォローできる体制を整えることも有効な手段のひとつです。
まとめ
引く手あまたの営業職は、売り手市場で採用が難しくなった職種のひとつ。
ですが、中途採用が成功をすれば会社の業績を大きく伸ばすことができる、企業の花形となるポジションです。
だからこそ、手をこまねいて即戦力となる人材が足を運んでくれる幸運を待つのではなく、自社の将来のエースを未経験者から発掘しましょう!
適正を見極め、研修で丁寧なフォローアップをすることで、会社の将来を背負って立つ貴重な人材を獲得することができます。