一定以上の社員数がいる(or増やそうとしている)企業にとって『人事評価制度』は、組織を発展させる上でとても重要な役割を果たします。

 

とは言え「その制度を作ろう・再構築しよう」となっても、何から手を付けたら良いのか分からない方も多いはず。

 

そこで今回は人事評価制度を構築する上で、重要となる視点を3つ紹介します。

 

人事評価制度構築の流れ

本題に入る前に、制度の構築にあたっての全体的な流れを説明します。

 

当然ながらまずは『人事評価制度を設ける意味』をハッキリさせておく必要があります。

 

その目的は、以下の2つが挙げられます。

 

1つは『会社の目指すべき姿・理念をしっかり社員に浸透させること』です。

 

賃金や賞与を決めるためだけにこの制度が存在しているのではありません。

 

もう1つが『社員のモチベーション維持・向上を図ること』です。

 

周りからの評価も得られる環境は、働く社員にとってのやる気や、緊張感に繋がります。

 

目的が明確になったら、今度は『何』を『どのように評価』するのか、そして評価した結果を『どう反映するのか』に落とし込んでいきます。

 

大きく分けて7つの視点で分けて考えると、人事評価制度を構築していくことができます。

 

それが【(1)成果の実現度、(2)発揮能力、(3)服務態度、(4)人事評価・査定、(5)配置転換、(6)賃金、賞与】です。

 

そのうちの(1)~(3)が、先ほど述べた『何(=評価すべき対象)』の部分で必要な視点に該当します。

 

その他に関してはPart2,3で紹介します。

 

次項からはそれぞれ3つの視点が、具体的にどういったものなのかを見ていきましょう。

 

「成果の実現度」を評価する

成果の実現度とは、個人または組織におけるノルマの達成度を指します。

 

成果に至るまでのプロセスは考慮しません。

 

この実現度を正当に評価するためには『目標管理』が必要不可欠です。

 

まずは目標を立てる必要がありますが、漠然と仕事に取り組むことがないよう、半年や1年のスパンでできるだけ具体的に立てるようにしましょう。

 

目標の中身としては『売上や利益』といったものだけでなく、例えば営業職の場合だと訪問件数や電話のコール数もそれに該当します。

 

その他には「今期中に、こんな自分になる」といった人間的な部分も、目標の内に入ります。

 

もしあなたが部下をマネジメントする立場だったとすれば、部下が自分自身で立てた目標を達成するために、『目標管理面談』を行うことをオススメします。

 

面談時に気を付けるべきポイントとしては、「目標は何にする?」「目標に向けて、どう行動する?」など、目標ばかりが会話の焦点にならないようにすること。

 

確かに、そういった話をするために設けた場ではありますが、あくまで目標を達成するのは目の前にいる部下です。

 

「君はどう思う?」など、その人自身の考えをくみ取ることも忘れないようにしましょう。

 

「人の能力」を評価する

人事評価制度を導入する上で、その人が持つ能力も評価対象として加えておくべき要素と言えます。

 

前提条件として、この『人の能力』とは何を指すのかを正しく認識しておかなければなりません。

 

その中身は大きく分けて3つあります。

 

発揮能力

先ほど述べた「成果の実現度」の話に通じる部分がありますが、こちらに関してはその人が出した成果を元に判断します。

 

保有能力

これは『知識・技能・態度』といった仕事の成果を生み出す元となる能力を指します。

 

具体的には、指導力や企画提案力、ストレス耐性・責任感などがそれに該当します。

 

保有能力を評価する上で注意すべきポイントは、職務を遂行する上で必要な力と、必要でない力をしっかり見極めておくことです。

 

例えば、誰かを教育する機会のない社員が、高い指導力を保持していてもそれほど意味はありません。

(教養として知っておいて損はありませんが)

 

潜在能力

これは文字通り、人が持つ潜在的な能力を指します。まだ目に見えて発揮された能力ではないという意味で考えると、『期待を込めて評価する』ということにもなります。

 

「服務態度」を評価する

個人ではなく会社組織として仕事をしていく以上、日頃の【服務態度】も評価対象に加える価値があります。

 

簡単に言えば、仕事に取り組む姿勢です。

これは4つの切り口でとらえることができます。

 

規律性

社内の規則を厳守し、職場秩序を維持しようとする姿勢です。

 

責任感

例えば最後まで業務をやり遂げようとする姿勢がそれに当たります。

 

積極性

言われたことだけをこなすのではなく、主体的に仕事をつくり出す姿勢です。

 

協調性

上司・同僚・部下など、あらゆるメンバーと協力する姿勢です。

 

服務態度に関しては中々数値化して評価しづらい面があります。

 

まとめ

評価の際は『いかに公正であるか』に、細心の注意を払う必要があります。

 

その人が好きか嫌いか、その日の気分が良いか悪いかによって評価が変わる危険性があるのです。

 

そのリスクを考えると、誰か一人の人間だけに任せるのではなく、複数のメンバーで評価するのも1つの手かもしれません。

 

最近だと360度評価と言われるものが、それに近いものと言えるでしょう。

 

人事評価制度を作るためには「そもそも何を評価の対象にすべきか」をハッキリさせる必要があります。

 

今回の記事ではその対象として、『成果の実現度』『人の能力』『服務態度』の3つを挙げました。

 

Part2以降「その対象をどのように評価すべきか」について記述していきます。

 

あなたも会社組織をより一層発展させる手段として、新たな人事制度の構築(既存の人事制度の再構築)を検討してみてはいかがでしょうか。

 

>Part2の記事を読む

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