1on1は多くの企業で導入されていますが、取り組み方を間違えると失敗するケースもあります。では、1on1を成功させるにはどうしたら良いのでしょうか。
本記事では、1on1とは何かについてご説明したうえで、実施目的や効果的な進め方、成功のポイント、メリット・デメリットなどについて解説します。
話すことがないときに役立つ「1on1のテーマ一覧」と具体例もご紹介しておりますので、ぜひ参考になさってください。
1on1とは?定義や背景について
多くの企業で実践されている「1on1(ワンオンワン)」とは、どのようなものなのでしょうか。
1on1の定義や注目されている背景、人事面談との違いについて解説します。
1on1とは
1on1とは、上司と部下が1対1で定期的に行うミーティングのことです。部下の成長を促すマネジメント手法の1つで、「1on1ミーティング」と呼ばれています。
上司は部下の仕事やキャリアに関する悩みや課題を聞き、対話を通じて解決できるようサポートします。
1on1は15~30分程度の短い時間で、週1回、月1回など定期的に行います。
株式会社パーソル総合研究所の「人事評価制度と目標管理の実態調査」によると、1on1の平均所要時間は約25分です。
1on1が注目されている背景
1on1が注目されるようになった背景には、
- 従来のマネジメント方法が時代に合わなくなった
- 働き方の多様化により、対面コミュニケーションの機会が減った
という2つの理由があります。
労働人口が減少し、人材不足が社会問題となっている昨今、企業は少ない労働力で生産性を上げなくてはなりません。
そこで、社員一人ひとりの力を最大限に発揮できるよう、社員の成長を促す施策の1つとして1on1が注目されています。
また、リモートワークなど働き方が多様化したことにより、社員間の対面コミュニケーションの機会が減りつつあります。
リアルなコミュニケーションが減少すると人間関係の構築が難しくなるため、「悩みごとがあっても相談できない」「誰に聞いて良いのか分からない」といった事態も起こるでしょう。
こうした問題に対応するため、1on1の重要性が高まっています。
1on1と人事面談の違い
人事評価面談と混同されやすい1on1ですが、目的や進め方、話す内容や頻度に違いがあります。
人事評価面談と1on1の違いは、下表の通りです。
1on1 | 人事評価面談 | |
---|---|---|
目的 |
|
|
進め方 |
部下と上司の対話 |
上司から部下へのコミュニケーションが多い |
話す内容 |
業務に関する悩みからプライベートな内容まで幅広い |
部下の評価や目標の進捗確認など |
頻度 |
週に1回〜月に1回 |
3カ月〜6カ月に1回 |
1on1の目的は部下の成長を促し、会社の組織力を強化することですが、人事面談の目的は部下の評価や目標を確認して調整することです。
また、目的によってコミュニケーションの方法も異なります。
1on1は比較的フランクな雰囲気で、部下の自発的な発言を尊重する「対話コミュニケーション」です。
一方、人事評価面談は、上司から部下への一方的なコミュニケーションになりがちです。
1on1の実施目的
1on1の実施目的は、
- 部下の成長促進
- 企業の組織力の強化
の2点が挙げられます。
部下の成長を促す
部下は業務に関する悩みや不安などを伝え、上司はそれに傾聴してアドバイスやフィードバックを行い、部下の成長を促します。
振り返りの場を設けることで、部下は多くの気づきや改善点を意識できます。
組織力を強化する
1on1を通じて部下が成長すれば、組織全体のパフォーマンスが向上します。
職場の雰囲気も良くなり、社員の定着率も高まるでしょう。
また、1on1によって成長した部下が上司に昇進した場合、質の高い1on1を実施できるはずです。
部下の成長をサポートし、人材育成において好循環が生まれるため、組織力強化と企業の継続的な成長につながります。
1on1の効果やメリット
1on1の効果やメリットには、
- 部下の成長と従業員満足度の向上
- 上司と部下の信頼関係構築
- 社員の定着率向上
- 生産性の向上
が挙げられます。
部下の成長と従業員満足度の向上
1on1で上司からのフィードバックを受けると、部下は自分の強みや課題に気づきます。
自分の失敗や成功などの経験を客観的に振り返る習慣がつくため、主体的に問題解決に取り組むようになり、部下の成長が期待できます。
また、ある企業では、1on1を導入した結果、チームの離職率が1年間で20%から0%に低下しました。
これは、1on1により社員からの問題提起を受け、仕事へのモチベーションを下げていた要因を改善したことが理由だそうです。
1on1を通じて部下の意見が上司に伝わり、それが部下の待遇に反映されてモチベーションアップにつながったと考えられます。
上司が部下の声に耳を傾け、それに応えてくれる環境は、従業員の満足度の向上にもつながります。
上司と部下の信頼関係構築
定期的に1on1で対話することで、部下と上司の距離が自然に縮まり、親しみを感じるようになります。
部下は自分より立場が上の上司に対して距離を置きがちですし、上司も部下を主観的に捉えがちです。
しかし、仕事だけでなくプライベートな悩みや考えも、1on1でフランクに話し合うことにより、互いの理解が深まり信頼関係が築けます。
社員の定着率向上
1on1を通じて、部下がキャリアの向上や自分の努力が認められていると実感できれば、モチベーションや組織への愛着が増します。
部下が自分の所属する組織に認められていると感じ、成長の機会を感じる組織では、離職率が低くなるでしょう。
生産性の向上
人材不足が今後も続くと予想される中、これまでと同じような働き方では一人ひとりの負担が増え、生産性が低下します。
限られた人員で競争力を維持するためには、同じ時間でより多くの生産活動ができる仕組みが不可欠です。
1on1は、部下が自分の悩みや課題を話し、上司との対話で気づきを得る機会です。
気づきを得て成長した結果、社員一人ひとりの生産性が向上し、組織全体の生産性の向上につながります。
また、1on1を通じて、普段の業務ではわからない部下の性格や健康状態、家庭環境などを把握できます。
部下への理解が深まれば、適性を考慮して業務の割り振りなどができるため、生産性向上や離職防止を期待できるでしょう。
1on1のデメリット
1on1のデメリットには、
- 上司と部下互いの負担が増える
- 雑談で終わることがある
- 上司と部下の関係が悪化することもある
といったものが挙げられます。
上司と部下互いの負担が増える
1on1は通常、上司と部下の間で1対1で定期的に行われます。
そのため、1on1のたびにスケジュールの調整や場所の確保、話すテーマや進め方を考える時間が必要です。
しかし、通常業務に加えて1on1の準備も必要となると、上司と部下それぞれの負担が増大し、不満につながります。
場合によっては、1on1ミーティングの継続が困難になることもあるでしょう。
雑談で終わることがある
1on1を導入しても、話すことがなかったり対応がわからなかったりして、雑談で終わることがあります。
たとえば、部下に大きな課題や問題がない場合に1on1を行っても、話すことがないケースもあるでしょう。
また、回数を重ねるごとに話題が尽きてしまう場合もあります。
黙っている時間が長くなったり、雑談になったりすると「意味がない」「時間の無駄」などと思われて、社員の不満が募ります。
上司と部下の関係が悪化することもある
1on1は上司と部下が親しくなる機会でもありますが、反対に関係を悪化させることもあります。
たとえば、上司と部下の資質や性格がまったく異なる場合、意見や価値観、問題の解決方法も異なります。
理解してもらえず「意見が伝わらない」と感じるような状況になると、部下は上司に対してマイナスな感情を抱きやすいです。
さらに、以前の会話を忘れたり、真剣に受け止めなかったりするのも関係を悪化させる要因の1つです。
1on1は意味ない? 失敗する理由
1on1を導入しても、意味がないと社員が感じて、失敗するケースもあります。
主な理由は、
- 1on1の目的を理解できていない
- 相手への理解が不足している
- 上司が一方的に意見を伝えている
の3つです。
1on1の目的を理解できていない
企業が「信頼関係の構築や業務改善につながる」と期待して1on1を導入しても、当人たちが目的を理解していなければ無駄に終わる可能性もあります。
目的を理解しないままでは、どのような1on1を行うべきかわかりません。
そのため、毎回同じ話を繰り返したり、表面的なやり取りになったりして効果を得るのが難しくなります。
こうした状況では、定期的に1on1を行っても話題がないため、意味がないと感じるケースもありがちです。
相手への理解が不足している
1on1を実施する上司と部下がお互いの資質や適性を理解していないと、効果的なコミュニケーションや部下の成長が難しくなる可能性があります。
人は異なる適性や資質を持っており、上司と部下の相性にも「合う・合わない」があります。
たとえば、上司と部下の相性が悪い場合、以下のように感じることがあります。
- アドバイスを受けた部下:提供されたアドバイスが理解できないし、やり方が合わないと感じる
- アドバイスをした上司:アドバイスをしても伝わらないし、部下はやる気がないように見える
このように、相手の言動や行動の背後にある意図が理解できないと、誤解やネガティブな感情が生まれます。
1on1を実施しても育成や協力の面で問題が生じる可能性があるため、お互いの特性を理解しておきましょう。
上司が一方的に意見を伝えている
1on1が失敗する理由の1つに、上司が一方的な意見を伝えるだけの場になることが挙げられます。
たとえば、部下からの相談内容が上司にとって知識がある分野であった場合、上司は自分の意見を伝えることが多くなります。
また、上司が1on1に適したコミュニケーションを知らない場合も一方的になりがちです。
一方的なコミュニケーションが続くと、部下は話を聞いてもらえないと不満を感じ、1on1の意義を疑うようになります。
その結果、部下は自分の意見を控えるようになり、業務上の課題や問題が見過ごされる可能性が高まります。
このような状態が続くと、業務改善や健全なコミュニケーションが妨げられ、1on1ミーティングは無駄な時間になってしまいます。
1on1の進め方
1on1は、下記の流れで進めましょう。
- 目的の決定・共有
- 具体的な日時・場所の決定
- 1on1の実施・記録
- 次回日時・場所の決定
このサイクルを繰り返すことで1on1が定着し、部下を継続的に成長させられます。
1on1の実施目的を共有する
はじめに、部下に1on1を実施する目的を伝えます。
単に「1on1を実施する」と伝えるだけでは、部下が受け身の姿勢になってしまう可能性があるため、実施目的をきちんと説明することが重要です。
「成長のため」「相互理解を深めるため」のように具体的に説明すれば、部下も1on1を実施する目的を理解できます。
1on1は部下のための時間です。
そのため、部下が自分で話すテーマを決めるものですが、1on1に慣れるまではある程度テーマを用意し、話し合いの方向性を決めておくと良いでしょう。
1on1で効果的なテーマの例は、次の通りです。
- 仕事を通じて学んだこと、気づいたこと
- 仕事で感じている問題やつまずき
- 達成したいキャリアや目指していること
上司は部下にテーマを伝え、事前に話す内容を考えておきましょう。上司と部下が情報を共有すれば、1on1の話題に困りません。
スケジュールの決定
次に、1on1の具体的な日時と場所を決めます。
日時や場所は上司の都合だけで決めず、必ず部下の都合も聞きましょう。お互いのスケジュールを調整した上で日程を決めることは、信頼関係を築く上で重要です。
1on1を行う場所は、毎回同じ場所でなくても構いません。
会社の会議室やラウンジなど、1on1の内容に応じて適切な雰囲気の場所を選ぶと良いでしょう。
1on1の日時と場所が決まったら、上司と部下の双方のスケジュールに入れておきます。
後日、都合が悪くなった場合を考えて、日程の変更は必ず連絡するなどのルールを決めておきましょう。
1on1の実施
決定した日時に、最初に決めたテーマに基づいて、1on1を行います。
1on1では、上司がコーチングやフィードバックの手法を用い、部下の話を「聞く」姿勢を持つことが重要です。
部下が話している時は注意深く聞き、話し終わるのを待ってから、口を開くようにしましょう。
話す時間の割合は、部下が6~7割、上司が3~4割が理想的です。
また、1on1で話し合った内容はメモや文書ソフト、クラウドツールなどを使用して、上司も部下もいつでも見返せる場所に記録しておきましょう。
特に、クラウドツールは記録の管理や引き継ぎに便利です。
次回のスケジュールを決める
1on1の最後に、次回の1on1の日時と場所を決めます。
1on1は部下の成長のためだけでなく、上司と部下の信頼関係を築く目的もあるので、次の日程はあまり空け過ぎないようにしましょう。
理想は週1回ですが、間隔が空く場合でも3週間に1回程度を目安にスケジュールを組むと良いでしょう。
また、1on1で話し合った内容を振り返り、部下の現状を把握することも大切です。
過去に行った1on1の内容と比較することで、部下の成長を確認できます。上司は部下の成長を発見したら、部下にフィードバックし、成長を実感させましょう。
1on1を振り返り、部下の課題が見つかれば、次回までに考えてもらうよう指示します。成長の確認と課題の発見を繰り返すことで、部下も1on1の重要性を感じられます。
効果的な1on1を実施するには?成功のポイント
効果的な1on1を実施するためには、以下の4点が成功のポイントです。
- 話す内容を準備し、共有する
- 部下のタイプを把握しておく
- 上司のコミュニケーション力を育成する
- 話しやすい雰囲気作り
話す内容を準備し、共有する
限られた時間を有効に使うためには、1on1で事前に話す内容を準備して共有しておきましょう。
たとえば、事前にミーティングシートなどを用意し、テーマをあらかじめ書いておきます。
こうすると面談記録としても使えますし、「何か聞きたいことはありますか?」「困っていることはありますか?」などの項目を用意しておけば、形骸化を防げます。
部下のタイプを把握しておく
性格や考え方、価値観はさまざまです。
部下のタイプを把握すれば、1on1での信頼関係の築き方、部下の長所や短所、悩みなどが理解しやすくなります。
そのため、部下の日頃の様子や仕事の進め方などをよく観察し、それぞれのタイプを把握することが大切です。
上司のコミュニケーション力を育成する
部下の成長のための時間である1on1において、部下の本音を引き出すには、まず上司のコミュニケーション力を育成することが必要です。
そのための具体的なコミュニケーションスキルとして、「コーチング」と「フィードバック」があります。
コーチングとは、傾聴の姿勢で質問しながらコミュニケーションを取り、自発的な行動を促して理想の状態に導く方法です。
適切な問いかけにより、部下の考え方や価値観を引き出します。
フィードバックとは、相手の行動や発言に対して改善点や評価を適切に伝え、軌道修正を促すことです。
部下の行動に対して上司の考えや意見を伝え、部下の成長をサポートします。
話しやすい雰囲気作り
1on1の成功には、部下が自身の思いを話しやすい雰囲気を作ることが大切です。それには信頼関係を築くことが欠かせません。
時には上司の経験談や失敗談を共有するのも、部下が話をしやすいよう働きかけるのに効果的です。
経験談や失敗談の共有は、課題解決のヒントを提供する手助けにもなるでしょう。
話すことがないときに役立つ「1on1のテーマ一覧」と具体例
ここからは、
- プライベートの相互理解
- 心身の健康チェック
- モチベーションアップ
- 業務・組織の改善
- 目標設定・評価
- キャリア支援
のそれぞれにおいて、具体例を出しながら1on1のテーマをご紹介します。
プライベートの相互理解
まずは、プライベートな会話を通して仕事以外の相手のことを知り、信頼関係を築きます。
ただし、プライベートな話題を嫌がる人もいるため注意が必要です。
具体例
プライベートな話題や時事ネタ、価値観の話など、仕事以外でお互いを知るための話題をピックアップします。
プライベートの相互理解の具体例は、以下の通りです。
- 休日の過ごし方
- 一番楽しいのは、何をしているときか
- 好きな食べ物やスポーツ、趣味など
- 家族との過ごし方
- 最近関心を持ったニュース
こうした雑談は場を和ませ、1on1の開始時や話すことがないときなどに効果的です。
心身の健康チェック
部下の心身の状態や日々の勤務時間、仕事量などを1on1で確認します。
具体例
心身の健康チェックの具体例は、以下の通りです。
- 最近よく眠れているか
- 体調に変化はないか
- 日々の業務量が多すぎないか
- 1日の労働時間が不規則になっていないか
- 仕事を持ち帰っていないか
心身の健康は重要なため、1on1で毎回チェックしたいテーマです。
モチベーションアップ
モチベーションアップには、
- マイナス面を最小化することと
- プラス面を最大化すること
の2つがあります。
仕事に対する不安や悩みを解消し、良い点を褒めて、部下のやる気やモチベーションを向上させます。
具体例
部下のマイナス面を一緒に考え、上司が認めることで、部下のモチベーションが上がるでしょう。
モチベーションアップの具体例は、下表の通りです。
マイナス面の最小化 (モチベーションを下げる要因を取り除く) |
|
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プラス面の最大化 (モチベーションを上げる要因を増やす) |
|
業務・組織の改善
業務と組織の改善について話し合います。
日常の業務では表面化しない問題点や改善点が、1対1の会話を通じて把握できます。
具体例
現在の仕事の改善点、社内の人間関係、上司への要望などは、普段の業務時間内ではなかなか言い出せません。
以下のような具体例は、1on1だからこそ実現できるテーマです。
業務改善 |
|
---|---|
組織改善 |
|
目標設定・評価
目標設定・評価では、組織や部署全体の方向性を共有し、社員全員が納得できる目標設定になるようにしましょう。
具体例
目標設定・評価の具体例は、以下の通りです。
- 現在の業務についてどう考えるか
- 今後どのような仕事に関わりたいか
- 目標にしたいこと
- 目標を達成したときに得られるものは何か
- 自己評価
これらのテーマで部下の考えや、会社の目標が正確に伝わっているのかを知ることができます。
キャリア支援
日々の仕事を通じて自己理解を促すことで、部下が本来持っている能力を開花させ、キャリア形成をサポートします。
具体例
キャリア支援の具体例は、以下の通りです。
- 自分の強みと弱みは何か
- 自分の強みを活かせる部署・仕事は何か
- 現在の業務でのモチベーションはどのようなものか
- 今後チャレンジしたい仕事
- 希望するキャリア
これらのテーマで、部下自身が今後のキャリアについて考えるきっかけを作ります。
1on1の導入事例
最後に、クックパッド株式会社と、清食品株式会社の1on1の導入事例をご紹介します。
クックパッド株式会社
クックパッド株式会社では、チーム内のトラブル発見やメンバー同士の絆づくりのために、週に1度、15分の1on1を導入しています。
仕事に限らずプライベートな話題も含め、気になることを何でも話せる場にしているそうです。
1on1ミーティングの導入背景は、チーム内での仕事が多かったため、個人での作業が不得意な社員が増えたためです。
最初は、相互理解を深める試みとして、就業時間外の食事や飲み会も検討されました。
しかし、実施に制約があることや、効果的なコミュニケーションの場として1on1ミーティングに落ち着いたとのことです。
1on1ミーティングを決まった場所と時間で週に1回行うことで、計画的に進行できるようにしています。
また、ミーティングの場所や時間は柔軟に変更でき、話の流れに合わせて調整されます。
面談内容は以下の6つのテーマをカバーし、技術的な話題から仕事の進行やチームのあり方、メンバーの不安、楽しみなど幅広いテーマに関して話し合われます。
- 最近試してみたい技術
- 仕事の障害はあるか
- 最近ひどいと思ったコードはあるか
- 現在のチームのあり方をどう思うか
- 不安はあるか
- 仕事は楽しいか
これらについて話し合うことにより、エンジニア同士のコミュニケーションを促進し、問題解決やチームビルディングに役立っています。
日清食品株式会社
日清食品株式会社では、コンサルティング会社の支援を受けて1on1を導入し、従業員の成長と事業の拡大を目指しています。
営業部とマーケティング部を対象に、月に1回、部門ごとに課長や所長が部下一人ひとりと面談を行い、30分の1on1ミーティングを実施しています。
日清食品株式会社の1on1は、以下の目的で導入されました。
- PDCAサイクルの確立
- 柔軟性のある社員の育成
- 海外展開の強化
- 部下中心のコミュニケーションの促進
- 信頼関係の構築
導入の際には、初めて1on1を行う管理職に対して、部下との信頼関係の重要性を説明するところからスタートしました。
そのうえで、質問スクリプトを用意してスムーズにミーティングが進むようにし、部下にも1on1のメリットをしっかりと説明したそうです。
まとめ
1on1は、部下の成長と組織力の強化を目的に、上司と部下が1対1で定期的に行う面談です。
上司と部下は話し合いを通じて理解を深め、信頼関係を築きます。
さまざまなメリットがある1on1ですが、取り組み方を誤ると「意味がない」と捉えられてしまうこともあります。
1on1を有意義な時間にできれば、上司と部下で互いに満足感を得られ、部下の育成や生産性の向上にもつながるでしょう。ポイントをおさえて適切に運用し、1on1を成功させましょう。