採用選考で応募者の能力を計るときには、“学歴”を指標にしている企業も多いでしょう。
ですが、学歴がいい人材が必ず企業に貢献できるとは限りません。
学歴はあくまで指標なので、その他の点も含めた総合的な評価が必要になります。
今回は、そんな採用選考における“学歴”の考え方について、ご紹介したいと思います。
学歴フィルターは存在する?
採用選考をする上では、「学歴=頭の良さ」とすることで、その人の能力の有無を判断している企業が多いです。
そのため、一定以上の学歴がないと書類選考が通らないような、いわゆる“学歴フィルター”の存在もささやかれていますね。
実際に「マイナビニュース」が男女300名を対象に行ったアンケートでは、「新卒採用に学歴は必要ですか?」の質問に対して64.7%の人が「はい」と答えました。
社会での実績・経験がない新卒採用では、書類上から相手の能力を正確に判断することはかなり難しいです。
その中で、比較的簡単に学生のレベルを計る方法として、“学歴”を見るのは当然とも言えるでしょう。
また、その人が受験勉強という努力をして大学に入学している姿も想像できるため、忍耐力や真面目さを表すものさしとしても考えられます。
もちろん、必ずしも学歴を重要視しているとは言えませんが、多くの企業において学歴が重要な判断基準の一つになっていることは間違いないです。
そういった意味では、採用選考において“学歴フィルター”の存在は確かにあるのかもしれませんね。
学歴採用するメリット・デメリット
では、企業側にとって学歴採用をした場合のメリット・デメリットはどんなものがあるのでしょうか?
それぞれのポイントを見てみましょう。
学歴採用のメリット
優秀な人間を採用できる可能性が高い
学歴が高い人が必ずしも社会人として優秀だとは限りませんが、学歴が高い人の中に優秀な人が多く分布しているというのも事実です。
そのため、ある程度学歴でフィルターをかけることで、優秀な人材に出会える確率も高まります。
採用コストを効率的に使える
採用のためには、費用がかかるだけでなく、説明会や面接などを行う社員が時間を割く必要もあります。
そのため、より優秀な人材とだけ出会える確率を高めるために、学歴フィルターをかけることで結果的に費用や時間の浪費を少なくすることができます。
学歴採用のデメリット
応募人数が少なくなる可能性がある
学歴フィルターは、優秀な人材が集まる確率が高いですが、それだけで応募人数が少なくなってしまうというリスクがあります。
人気企業であればそれでも多数の学生から応募が集まるでしょうが、そうでない場合は想定よりも応募が集まらないこともあるので気を付けましょう。
本当に求めている人材を取りこぼす可能性がある
企業に貢献できる人材というのは、必ずしも学力が高いわけではありません。
例えば、学歴が低かったとしても、そのコミュニケーション能力や人柄で営業としてトップの成績を収める人もいるでしょう。
学歴フィルターは、そんな人材を門前払いしてしまっているので、本当に企業に必要な人材を取りこぼしてしまう可能性に繋がります。
学歴を重視するなら“面接”が重要
当たり前ですが、ただ学歴が高い人を採用しているだけではいい人材の確保をすることはできません。
むしろ、選ばれた学生の中から、本当に企業に必要な人材が誰なのかを考えるためにも、“面接”がとても重要になってきます。
ポイントとしては、以下の要素は必ず確認すべきです。
仕事に対する熱意があるか
いくら能力が高くても仕事に対する熱意を持っていなくては、企業に貢献してはくれません。
面接時にはしっかりと志望動機や希望職種などを確認して、応募者のやる気を確認するようにしましょう。
やりたいことと業務があっているか
やりたいことと実際の業務が合っていないと、せっかく獲得した人材が早い時期に辞めてしまう可能性があります。
人材の定着・離職率の低減はどの企業も課題にしていることですが、やはり採用の段階から対策するのが一番効果的なので、入社後のギャップが双方にとって少なくなるように心がけましょう。
人柄が社風と社員と合っているか
働きやすい環境を実現するためには、社風やすでに働いている社員との相性はとても重要です。
もちろん、能力重視で採用者を決めるのはいいと思いますが、長く働いてもらうためには無視できない要素になります。
採用をする前に実際に働いたときのことをしっかりとイメージするといいかもしれません。
中途採用では学歴より“経験・スキル”重視に!
新卒採用では学歴重視でもいい人材を獲得できる可能性は高いですが、中途採用の場合はそれよりも“経験・スキル”を重視する方が、よりいい人材の獲得に繋がるでしょう。
前職ではどんなことをしていたのか、どんなスキルを持っているのかなど、その人物の能力を確認できることはたくさんあります。
書類選考の時点から学歴などではなく職務履歴を重視するようにし、面接のときには実際にどんな業務に関わっていたのか、どんな活躍をしてくれそうかなどを意識した質問をするといいかもしれません。
また、転職をしようと思ったきっかけや前職を辞めた理由などを聞くことで、応募者の考え方や人柄、熱意を感じることができます。
志望理由と同じように、応募者の要望が表れやすい質問でもあるので、積極的に聞いてみることをおすすめします。
まとめ
“学歴”によって応募者を判断することは、優秀な人材を効率的に探すためには必要な手段の一つとなるでしょう。
しかし、それは人材発掘の視野を狭めることにも繋がるので、そのリスクはしっかりと意識するようにしてください。
企業にとって必要な人材と出会うためには、しっかりと採用の基準を決めることが大切です。
もし、採用基準が曖昧な場合は、応募者のペルソナ設定などを考えてみるといいかもしれませんね。
学歴を一つの“判断基準”として上手に活用して、いい人材の獲得を目指しましょう。