勤務間インターバル制度とは?

勤務間インターバル制度とは、退勤から次の日の出勤までの間に一定の休息時間を設けることで、労働者の休息時間を確保し、健全な社会生活を送れるようにすることを主な目的としています。

 

例えば11時間の勤務間インターバル制度を導入した場合、23時まで勤務した翌日は、11時間を空けた10時まで働いてはいけないことになります。

 

EU諸国では既に導入されており、1993年に制定されたEU労働時間指令では、24時間につき上記のような連続11時間の休息が義務付けられています。

 

日本においては、平成30年6月に成立された働き方改革関連法で、平成31年4月から制度の導入が努力義務とされることが発表され、今後も注目度がさらに高まることが予想されます。

 

勤務間インターバル制度のメリット

労働環境の改善

長時間労働がもらたす最大の問題は、労働者への健康被害です。

厚生労働省では、時間外労働が1ヵ月あたり80時間を超えると、労働者への健康被害が顕著となる”過労死ライン”になるという統計を発表し、労働者の労働環境の向上を示唆しています。

そうした中、実質的に労働時間の短縮につながる勤務間インターバル制度は、過労死などの健康被害から労働者を守ることになります。

さらに、十分な睡眠時間の確保はもちろん、私生活の時間にも余裕が生まれることから、精神的な健康の維持も期待できます。

 

定着率向上、採用に好影響

制度の導入は会社にとってもメリットがあります。

しっかり休息をとることで社員の労働意欲が向上し、生産性や定着率のアップが見込まれます。

さらに求職者にとっては、社員を大切にする会社という印象を与えるため、採用の強化にも効果が期待されます。

 

助成金の受給

また、導入した企業には、国の定めた規定をクリアしていれば助成金が支給されます。

導入にかかる研修費、勤怠管理システムなどの構築費、社会保険労務士などの有資格者によるコンサルティング費用なども助成されるため、事前にしっかりと国の定めた支給要件を確認しておけば、導入時のコスト面でのリスクは最小限に抑えることが可能です。

 

導入する際の注意点

制定後に”できない””守れない”となり、制度の変更を行うことになってしまうと労働条件の不利益変更となり、従業員との間に問題が生じてしまう可能性があります。

 

そうしたリスクを避けるために、本項目では導入の際に注意すべきポイントをご紹介します。

 

適用範囲

部署ごとに残業の量や、働き方が異なることも多いため、それぞれの働き方をしっかりと把握した上で、導入を検討しましょう。

インターバル時間を部署ごとに変えたり、義務化するか、努力義務とするかもそれぞれに合わせて柔軟に定めると良いです。

 

例外事例

顧客とのアポイントがあったり、どうしも人手が不足してしまい、インターバルを守れない場合もあります。

そうした時のために、守らなくても良い場合の”例外事例”を規則に明記しておくと安心です。

 

同時に、”例外事例”が蓄積された場合は特別に健康指導を行ったり、特別休暇を付与したりと、健康の維持という本来の目的を見失わないための措置を取り決めると良いでしょう。

 

導入時に一番大切なのは、『現状把握』です。

今の社員の働き方をしっかりと把握した上で、実現可能な制度を導入しましょう。

 

導入事例

勤務間インターバルが推奨された当初、三菱重工が労働組合の働きかけにより制度導入の検討に入ったのを皮切りに、KDDI、JTB、三井住友信託銀行などでも導入を開始しました。

 

その後、過労死問題が連日ニュースで取り上げられるようになり、マスコミ、TV局などのエンターテイメント業界などでも制度の導入は進み、今や業界問わず勤務間インターバルへの関心は高まっています。

 

では、実際にはどのような勤務間インターバル制度を導入しているのか、事例をあげてご紹介します。

 

ユニ・チャーム

全社員を対象に最低8時間以上、努力義務として10時間を就業規則内に規定。

 

本田技研工業株式会社

労使協定で規定し、22時以降まで残業を行う場合、本社・営業で12時間。研究所では10時間。

工場(製作所)では9時間30分~11時間30分と事業領域ごとにインターバル時間が異なる。

 

社会福祉法人聖隷福祉事業団 総合病院 聖隷三方原病院

勤務計画表作成基準の中に「勤務間隔をあける規則」として規定し、変則交代制勤務を行っている看護職員全員を対象に、一律で最低11時間。

 

まとめ

労働者の健康維持を目的として推奨され、実際に様々な効果をもたらす勤務間インターバル制度。

ある調査では、現在「導入している」は1.4%に留まっており、「導入の予定はなく、検討もしていない」が 92.9%を占めています。

 

しかし、平成31年から「努力義務」とされる同制度。

 

導入を検討している企業も増加傾向にあり、今後さらに注目度が高まることが予想されます。

 

なにかと社員の労働環境が話題になる昨今、貴社でも導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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