選考では欠かせない履歴書。
入社後のミスマッチを防ぐためにも、履歴書から様々な情報を見抜くことが大切です。
採用活動にもスキルが求められる中で、改めて履歴書の読み方やチェックポイントを確認し、採用活動に役立てていただければと思います。
履歴書のココをチェック!
入社後に「こんなはずじゃなかった!」とならないように、履歴書と職務経歴書のチェックポイントをご紹介します。
履歴書のチェックポイント
◎履歴書は企業に提出する正式文章という意識があるか
◎誤字脱字が無く、略語を使用してないか
◎分かりやすい構成で書かれているか
◎写真から意欲を感じ取れるか
◎資格や経験が募集職種に関するものか
◎志望動機が自社向けに書かれているか など
職務経歴書のチェックポイント
◎活かせる職務経験を強調しているか
◎自己PRと企業のミッションがリンクしているか
◎実績や評価が具体的に記載されているか
◎転職理由に正当性があるか など
履歴書や職務経歴書をチェックして気になる部分は、面接時にしっかり確認しましょう。
本気度を計るなら、手書きの履歴書
最近はPCで履歴書を作成する方も増えていますが、手書きの方が応募者の様々な情報が浮かび上がってきます。
◎文字の上手い下手ではなく、丁寧に書かれているか
◎修正ペンで修正されてないか
◎書類が折り曲がっていないか など
調べればわかるような基本的なことができていない方だと、一般的な常識があるかどうか、本気で入社を志望しているか分かりません。
また、履歴書の書き方や管理がずさんな方は、社内だけでなく取引先とのトラブルの引き金となりうる可能性もあります。
応募者の本気や志望度、人柄を具体的に知りたい場合は、手書きの履歴書の提出をお願いするのがベターです。
書かれていない内容に注目
履歴書のフォーマットは様々なので、意図的に記載したくない情報を省いている可能性があります。
「退職理由」、「応募動機」、「自己PR」といった選考で最も重視されるポイントに関して記載が無い場合は注意が必要。
後ろめたいことがある可能性や、とりあえず応募しただけで志望度が低い可能性もあります。
他にも、職務経歴の年月日を見て、半年以上の空白の期間が存在している時は面接時に確認した方がいいでしょう。
書かれている情報だけでなく、書かれていない情報にも、応募者の人物像を探るヒントが隠されています。
もちろん、不足した情報があるからといって一概に書類選考で不採用にした方が良いということではありません。
気になる方に関しては面接でお会いし、不足した情報を聞いてみることをおすすめします。
「一身上の都合」に注意(実際にあった例)
短期間で転職を繰り返す求職者の方には注意が必要です。
スキルアップといった明確な理由がある方なら問題無いですが、入社数ヶ月で退職を繰り返す方には、本人にも問題がある可能性があります。
ただ、どんな問題も「一身上の都合」と表記することができるので、見極めが難しいです。
退職理由に関しては、書類選考や面接時にしっかり確認することが大切です。
実際の事例
ある介護施設は、対象の社員を「とにかく働いてくれる人が欲しい」ということで、退職理由について確認せずに採用してしまいました。
最初は特に問題なく勤務していましたが、試用期間終了後に雰囲気が一変し、他の従業員に威圧的な態度を取るようになりました。
社員同士の人間関係も悪化し、退職者が続出。
社長は勢いでその社員を解雇にしましたが、この話はまだ終わりません。
解雇された社員は、すぐに内容証明で要求を突きつけ、解雇を撤回せざるを得ない状況に。
結果的に、1年分の賃金相当額を支払って退職してもらうことになりました。
解雇されてからの社員の対応がスムーズだったこともあり、過去に同じようなトラブルを経験していた可能性も。
履歴書を丁寧に確認し、面接をしっかり実施していれば、防げたケースかもしれません。
まとめ
履歴書の内容を軽視して採用し、ミスマッチが起きてしまう企業が多いのも、人材不足の加速が背景に挙げられます。
とりあえず人を採用しなくてはと、曖昧な判断基準で内定を出すのはよろしくありません。
採用が難しい時代になっているからこそ、優秀な人材をしっかり見極めるスキルを磨いていくことが大切。
採用活動が上手くいかないと感じる時は、書類選考の段階で適切なスクリーニングができているか確認してみても良いかもしれません。