2005年から温暖化対策の一つとしてスタートしたクールビズは有名ですが、冬期に行われる「ウォームビズ」。
暖房の使用を控えながらも快適に過ごすライフスタイルを推奨するウォームビズは、クールビズに続いて着々と浸透しています。
今回は、ウォームビズとは何か、その基本スタイルと企業ができる取り組みについてご紹介していきます。
ウォームビズとは?
日本は2030年度までに26%(2013年度比)の温室効果ガス削減目標を掲げており、これを達成するための取り組みとしてウォームビズがあります。
ウォームビズとは、環境省が呼び掛けている冬場の地球温暖化対策の一つで、「暖房時の室温を20℃で快適に過ごすライフスタイル」と定義されています。
内容は服装がメインになりますが、食事や住まいといったライフスタイル全般を工夫して暖房の使用を減らそうという取り組みです。
ウォームビズの実施期間は寒くなりだす11月1日から、徐々に暖かくなる初春の3月31日までと設定されています。
また、ウォームビズ実施の目的は地球温暖化対策ですが、我々にも電気代の節約というメリットがあります。
室内外の温度差が大きい冬場は電気代が高くなってしまいがちですが、暖房の使用を控えてより大きな電気代の節約効果が見込めるのです。
ウォームビズの基本スタイル(男性)
室温を抑えたオフィスで快適に過ごすには、服装を工夫するのが最も効果的です。
男性におすすめなのが、オフィススタイルの定番であるスリーピーススタイルです。
スーツの中にセーターやカーディガン、ベストを着ると、おしゃれで暖かい「スリーピーススタイル」になります。
アイテム提供:SUITIST(スーティスト)サブナード新宿店
基本はスーツスタイル
男性のウォームビズスタイルの基本はスーツですが、季節感を取り入れた素材のスーツを選び、セーターやカーディガンを合わせると、おしゃれにウォームビズを楽しむことができます。
気温の低くなる季節は、ウールを起毛加工させたフランネルや、ツイードのスーツを選びましょう。
フランネルは柔らかくてツヤのある生地、ツイードは厚みとハリのある生地で、保温性が高いのが特徴です。
(写真はフランネルの生地を使用)
スーツの中に防寒着
スーツの下には防寒性の高いセーターかカーディガンがおすすめです。
ただし、ゆったりしたサイズだとジャケットを羽織ったときの着心地も悪く、見栄えもよくないため、セーターやカーディガンはジャストサイズを選びましょう。
コーディネートにも気を配る
暗くなりがちな冬のコーディネートは、セーターで差し色を入れるとぐっと華やかになります。
また、スーツと同系色を合わせると知的で落ち着いたスタイルが実現できますよ。
冬のネクタイはボリューム感のあるウール地を使うと温かみのある印象になります。
ウールのネクタイを、フランネルやツイードスーツと合わせれば、統一感のある冬の着こなしができるのです。
また、ネクタイはジャケットのラペル(下の襟)と同じ幅のものを選ぶと、バランスよく着こなせますよ。
ウォームビズの基本スタイル(女性)
男性よりも寒さを感じやすい女性にとって、防寒対策は必須ですよね。
女性におすすめなのが、防寒対策にもってこいのタートルネックです。
シンプルで着こなしやすく、防寒着としても太い血管の通る首元を温めると、効率よく身体全体を温めることができます。
アイテム提供:SUITIST(スーティスト)サブナード新宿店
見た目も暖かさも備えたタートルネック
ウォームビズスタイルでは、三つの首(首、手首、足首)を温めることがポイントになります。
スーツの中にハイネックのセーターを合わせると、体を温めつつおしゃれなウォームビズスタイルが実現可能です。
袖の折り返しができるワンポイントデザインのスーツなら、手首にボリュームが出て、さらにおしゃれなスタイルになりますよ。
防寒に適した素材選び
洋服の生地については男性同様、フランネルやツイードといった保温性が高い起毛系のスーツを選ぶと、季節感を取り入れたウォームビズスタイルが実現できます。
(写真はフランネルの生地を使用)
スカートスタイルならスーツの色やデザインに合わせて、保温性の高いタイツやストッキングを選びましょう。
80デニール程度のタイツなら程よい透け感で重くなりすぎず、保温性も確保できます。
アイテムもおしゃれに暖かく
靴は足首が隠れるショートブーツを合わせると、かわいく防寒対策ができますね。
さらに、インナーに毛糸のパンツやスパッツ、腹巻などを着用すれば、見た目では重ね着していることが分からないので暖かくも上品に着こなせます。
シンプルなタートルネックは、女性らしいスカートスタイルにも、かっこいいパンツスタイルにも合わせやすいのでおすすめですよ。
ウォームビズの実施で企業が取り組むべきこと
ウォームビズの実施は「環境へ配慮している」という点においても企業イメージの向上が期待できます。
ここでは企業が取り組むべき施策について具体的にご紹介します。
防寒着の着用を認める
多くの企業では社外の人と接する機会があるため、スーツ着用が望ましいですよね。
しかし、真冬になるとスーツだけだと防寒対策が不十分なケースもあるため、その対策として業時間中も防寒着の着用を認めている企業もあります。
ブランケット・使い捨てカイロの用意
従業員用にブランケットやカイロを用意しておくことも、すぐに実践できる施策の一つです。
どちらも1,000円未満で購入できますし、災害などの非常事態にも重宝するので置いておいても損はありません。
加湿器や植物を置く
湿度が高いと体感温度も上がるため、加湿器や植物を置くのもおすすめです。
冬場は乾燥しやすいので、防寒とともにしっかりと対策をしましょう。
ブラインドを活用
普段からブラインドを閉じたままにしていませんか?
天気の良い日はなるべく太陽光を採り入れましょう。
天気の悪い日は気温がぐっと下がるので、ブラインドを閉めてオフィスの温度が下がらないよう調整してみてください。
適切な服装と対策で快適にウォームビズ期間を過ごしましょう
ウォームビズといっても、ビジネスパーソンに適した服装でないと、イメージダウンにつながることもあるので注意が必要です。
また、対策を怠ると体調を崩す原因にもなりかねません。
個々人がビジネスシーンに適した暖かい服装を心掛けるのはもちろんですが、企業としても快適に仕事ができるように環境を整える工夫が必要です。
この記事を参考に今からできる対策を実施してみてはいかがでしょうか。