目次
採用における課題点
知名度、予算、会社の規模といった多くの点で大手や老舗企業に劣るベンチャー企業は、様々な課題を抱えています。
以下はその一例です。
採用に携われる人員が限られている
スタートアップ企業では特に発生しやすい課題です。
人事担当者を採用する余裕もなく、社長が自ら人事を担うケースもあります。
人材紹介会社から紹介された求職者の志向・スキルがマッチしない
社内の教育体制が整わず、どうしても即戦力の中途社員を採用しなければならない場合、人材紹介会社を利用しても志向・スキルがマッチしない場合があります。
書類選考の絶対数が少ない
知名度が低いと、どうしても応募数が限られます。
高いスキルを求めれば、それだけ応募者も絞られ、面接に進められる人材も少なくなるでしょう。
急募のポジションであり、採用にかけられる時間に制約がある
「企業のコアメンバーとなる人材を緊急で採用したい」というニーズも、ベンチャー企業では発生します。
急募の場合は採用に長々と時間をかけるわけにもいきません。
こうした課題を踏まえて、採用活動で気をつけるべきポイントをご紹介していきます。
採用のポイント(1) ブランディングに力を入れる
母集団の形成
ここで言う母集団とは、自社に興味や関心を持ってくれる人たちの集まりです。
ターゲットに近い人々によって構成された母集団をつくり出すことで、優秀な人材を確保しやすくなります。
母集団を形成する上で効果的なのが、会社のファンを増やすマーケティング手法「ブランディング」です。
ブランディングの方法と効果
まず取り組むべきなのが採用ホームページでの情報公開です。
募集要項を載せるだけでなく、自社の魅力をアピールしたり、説明会の日程を告知したりと、情報提供の場として活用しましょう。
SNSなど無料で利用できるツールもありますので、安価で始めたいという方は試してみましょう。
ブランディングが成功し、口コミで企業の魅力が伝わるようになれば、宣伝広告費を払う必要がなくなり、採用コストを削減できます。
「この企業はこういう風土で、こんな人材を求めている」という正しい認識が広まることで、採用時のミスマッチを防ぐこともにもつながっていくでしょう。
採用のポイント(2) スピード感と柔軟性を持った選考を
優秀な人材ほど、多くの企業からアプローチをかけられているものです。
そうした人材を採用する工夫として、選考フローに柔軟性を持たせることが挙げられます。
これは、ある程度採用のノウハウを積み重ねてきた大手や老舗企業よりも、仕組みが固まっていないベンチャー企業の方が実践しやすいです。
連絡を迅速に行うなどの対応を
例えば、エンジニア採用であればCTO(最高技術責任者)が一次面接に参加し、応募者のニーズや適性を見極めることにより、選考の初期段階で応募者の心を掴むといった取り組みが考えられます。
そのほか、「面接の回数を絞る」「選考結果の連絡をできるだけ早く行う」などの施策を通じて、選考がスムーズに進むよう取り計らうのがベストです。
副業から始めてもらう
同様にエンジニア採用を例にとると、「副業から始めないか」というアプローチも可能です。
いきなりベンチャー企業への転職となるとハードルが高いので、副業からスタートしてもらい、互いのマッチングを確認してから正式に入社してもらうのも一考でしょう。
既存のやり方に囚われず、応募者に合った選考方法を模索できるのはベンチャー企業が持つ自由度の賜物です。
採用のポイント(3) 求職者への熱意、事業の方向性をストレートに伝える
採用への意欲を伝える
優秀な人材を惹きつける上で、「あなたの経験やスキルを見込んで、ぜひ採用したい」と、熱意を持って思いを伝えることは重要です。
「優秀だ」と言ってもらえることで、気を悪くする応募者はまずいません。
自分が本当に必要とされていると感じてもらえれば、入社の意欲も高まるでしょう。
思いを伝える人が社長や現場の優秀なスタッフであれば、より説得力も増し、効果が高まります。
事業の方向性と理想の組織図について検討する
ベンチャー企業を立ち上げる際、事業を通じて実現したいことや理想とする組織の在り方について検討したことはあるでしょうか。
ある会社もそうでない会社も、今一度自社が目指すところを確認してから採用活動に臨みましょう。
自社の理念や方向性が明確でないと、マッチングを図る際に基準とするものがなく、仮に採用できたとしても、離職を誘発することにもなります。
社員が語る会社のビジョンやビジネスモデルの面白さが充分に伝われば、応募者に興味を持ってもらうことができ、採用成功率も上がります。
ぜひ熱意を持って、自社の事業の魅力を応募者に語ってください。
まとめ
人員・予算の面で大手企業に劣るベンチャー企業、スタートアップ企業ですが、事業の魅力をしっかりと伝え、選考の内容を工夫していけば、優秀な人材を採用することができるようになります。
採用を支援するツールも数多く登場していますので、新しい情報に対してアンテナを広く張ることも必要になってくるでしょう。
限られた人員・予算の中で優秀な人材を採用する難しさを感じているのは、ベンチャー企業だけではありません。
多くの企業が人材不足で苦しむ中から一歩抜け出し、採用を成功させられるよう努めていきましょう。