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シニア人材に注目が集まる背景

1980年、労働者人口に占める65歳以上の方の割合は4.9%でした。

 

それが2015年には11.3%まで上昇。同年、シニア層の雇用者が60~64歳の雇用者数を初めて上回り、高齢者の働き手は今も増え続けています。

 

政府が定めた「高年齢者雇用確保措置」のもとで定年を65歳まで引き上げる働きかけが企業に対して行われており、ゆくゆくは65歳定年が主流となるときが来るかもしれません。

 

シニア人材に注目が集まる理由としては、冒頭でも述べた通り少子高齢化に伴う労働人口の減少が大きいですが、第二の人生をいかに過ごすか考えて、「定年後も働き続けたい」「老後の資金のことを考えると、働けるうちは働いて稼ぎたい」と思うシニア層が増えたことも理由に挙げられます。

 

内閣府が行った「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」によれば、65歳を超えても働きたいと回答した人は65.9%――実に3人に2人いると言われています。

 

シニア人材を採用するメリット

企業、個人だけでなく、社会全体にもよい影響を与える可能性を秘めたシニア人材の採用。

 

以下にメリットをまとめてみました。

 

企業が得られるメリット

・採用する求職者が企業OBであれば、低コストでの雇用が可能。

・教育にかかる手間やコストをカットできる

・休日や早朝など、正社員では対応が難しい時間帯での勤務が可能な場合も多い

・豊かな社会人経験を生かした若手社員の育成を依頼できる

 

個人が得られるメリット

・第二の人生を、生きがいを持って過ごせる

・多くの人との関係性が続くため、認知症予防にもつながる

・定年後も年金以外の収入を得られるため、老後資金が潤沢になる

 

社会全体に影響のあるメリット

・生き生きと働くシニア層が増えることで、社会保障費を抑えられる

 

シニア人材の採用に関する取り組み

ローソンの取り組み

シニア人材の採用で成果を上げているのが大手コンビニエンスストアを経営するローソンです。

 

同社は年齢が高いクルーほど在籍期間が長いというデータに注目し、シニア人材向けのポスターを制作するなどの広報活動を行いました。

 

その結果、クルー全体でシニア層が占める割合は約8%まで上昇したといいます。

 

遅刻や欠勤の少なさから、「若年層よりもむしろ50代以上のクルーを採用したい」という現場の声も聞こえているといいます。

 

現在もローソンはマニュアルの文字を大きくしたり、端末機器の扱いの指導に時間をかけたりといった形で、シニア人材の活躍を支える取り組みを続けています。

 

地方創生への貢献

首都圏の企業よりも採用に苦慮しているのが地方の企業です。

 

そうした状況を打開するために、転職市場ではシニア採用を積極的に行う地方企業が増えています。

 

内閣府も現状を打開する策として「プロフェッショナル人材事業」と銘打ち、事業拡大を推進する人材の雇用を促し始めました。

 

プロフェッショナル人材の候補者として、経験や知識を蓄えたシニア層に注目が集まっており、Iターン転職の増加による地方の活性化が期待されています。

 

採用における課題と打開策

シニア人材が活躍できる環境づくりは発展途上の段階にあり、企業がシニア人材を戦力として生かし切れていないケースも多々あります。

 

実際の現場で見られるシニア採用の課題を列挙し、それぞれの対策を見てみましょう。

 

上司よりも年齢・社歴が上であるため、指示しにくいという意識から適切なマネジメントが行われない

シニア人材を管理する管理職者に対して研修を行いましょう。

 

シニア人材に果たしてほしい役割は何か、その上で障害になり得ることが何なのかを明確にし、企業全体で障害をなくしていくことが必要です。

 

シニア採用の経験が少ないことから、シニア層に配慮した管理体制がない

管理職者とシニア人材で面談を行う機会を設けたり、シニア人材の再雇用に向けた研修を用意したりといった形で、管理体制の整備に努めましょう。

 

これまでと異なる立場での業務となるため、シニア人材が正しく自己評価できない

事前に果たしてほしい役割、仕事内容などを明確に伝えましょう。

 

企業はシニア人材一人ひとりが求める働き方や能力を正しく把握し、適切な配置を行ってください。

 

まとめ

ローソンのように、シニア人材が戦力として欠かせない存在になる企業は今後も増えていくでしょう。

 

「優秀な人材を獲得したい」という企業のニーズと、「第二の人生を充実したものにしたい」「老後の資金が心配だから、働けるうちは働きたい」というシニア層のニーズは合致しており、シニア採用を実施する価値は充分にあります。

 

シニア層が生き生きと働く豊かな社会の形成――そんな理想も描けるシニア人材の採用を、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。

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