求人広告を出稿し、数多くの中から選び抜いた人材。
入社後の活躍を期待していたのにもかかわらず、半年も満たない期間で辞めてしまう早期退職は、入社後のミスマッチやフォロー不足から発生していることがほとんどです。
そんな早期退職の原因のうち、大きな理由となっている2つのポイントに着目して考えてみましょう。
早期退職の原因その1:入社前の情報不足
新卒で入社した社員を対象に調査したアンケートによると、入社を後悔している理由として、4割以上が「入社前の情報不足」を挙げています。
情報不足を理由に掲げた新入社員を対象に、どのような情報が不足していたかを調査したところ、特に「休日」や「残業時間」が収集した情報と異なることを理由に退職を希望する社員が多いという結果が出ています。
採用の段階から「時間」に関する情報を正確に発信していくことが、早期離職の防止に繋がると言えるでしょう。
また、会社の社風や雰囲気といった部分にも情報不足を感じている社員が多く、働いている環境に関する情報を正確に発信していくことが、双方にとってマッチングの高い採用に繋がるといっても過言ではありません。
対策:正確な情報発信を心がける
前述したとおり、このような事態を防止していくためには、採用段階から正確な情報発信を心がけていくことで、「その情報を知っていれば入社しなかった」社員を事前にスクリーニングしていくことで防止することができます。
求人広告に掲載する原稿を作成する際には、労働環境に関わる情報をあいまいにせず、できる限り実体に近い内容におさめて掲載しましょう。
「正確な情報を知らなかった」という理由のもと早期退職していく社員を減らすことができます。
求人広告ではフォローしきれないような会社に関する情報についても、面接時に求職者へ説明したり、質疑応答の時間を設けることで伝えていくことが大切です。
正確な情報発信を心がけ、本当に自社にマッチした採用を実現してください。
早期退職の原因その2:人間関係
退職理由の上位として常に挙げられている「人間関係」は、早期退職においても例外ではありません。
「上司とのコミュニケーションがうまくできない」、「同僚との関係が構築できずに部署内で孤立している」など、業務以外のところで大きなストレスを抱え込み辞めていくというのは、本来高いポテンシャルを持つ社員をみすみす手放すことにも繋がります。
できる限り早急に手を打つことが望まれますが早期退職の場合、退職の意思が固まってから発覚することが多く、打つ手が全くないという状況に陥ることも少なくありません。
加えて、従業員の性格や人間関係、職場の雰囲気などを事前に求職者に向けて発信するのもなかなか難しいため、人事担当にとっても「人間関係」は、常に頭を悩ませる問題と言えるでしょう。
対策:コミュニケーションの場を増やす
何よりも重要なことは、入社時から定期的なフォローを行い、社員のメンタルケアを怠らないことが重要といえます。
定期的な面談などを通じてヒアリングしていくこともひとつの手ですが、日常の中で常にコミュニケーションを図り、なんでも相談してもらえるような関係づくりを進めていくことを心がけていくことで、上記のような事態に発展する前に、部署を異動するなどの手を打つことができるようになります。
また、仕事の進め方による食い違いなどで、人間関係がギクシャクしてしまうケースもあるでしょう。
配属先の上司とも連携を取りながら、得意分野や社員の目標を設定して期待していることを伝えることで、人間関係を劇的に改善することもできます。
まとめ
上記のような対策をしっかりと講じていても、現場の力だけでは早期退職をゼロにするのは極めて至難の業といえます。
できる限り採用に関わる人数を増やし様々な視点から採用活動を行ったり、人事部門だけではなく、会社全体で新入社員をフォローできる体制を整えるなど、組織として新入社員と向き合うことで、より効果的に早期退職への対策を講じることができます。
求職者や企業の双方にとって満足度の高い採用や就業が実現できるよう、上記を参考に制度を整えてみてはいかがでしょうか。