人事企画、採用、教育・研修、評価、労務など、幅広い業務に対応していく必要がある人事の仕事ですが、全てを体系的に学べる機会は決して多くはなく、なかなかスキルアップが実感しにくい仕事でもあります。
成長するためには何が必要なのか、迷っている人事の方もいるでしょう。
そんな時にオススメしたいのが資格取得です。
ここでは人事のキャリアアップに繋がる4つの資格を紹介します。
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定試験
社員がいきいきと働ける環境づくりを進めていく上で、メンタルケアは重要な要素の一つです。
必要な時に適切な対応ができる正しい知識を学ぶことができる資格が、この「メンタルヘルス・マネジメント(R)検定試験」です。
この資格は、ストレスの状態をセルフチェックに役立つ?種(セルフケアコース)、部下がメンタル不調にならないよう配慮するために役立つ?種(ラインケアコース)、そして、総合的なメンタルヘルスができる知識が習得でき?種(マスターコース)の3種類に分けられます。
人事の方にオススメしたいのは?種。
この知識があることで、会社全体のメンタルケアの計画を立てたり、体制の構築などに役立てることができます。
I種の合格率は10~20%程度と難易度は高めですが、習得するために勉強するだけでも、日々の業務に大いに役立つ知識が得られます。
【メンタルヘルス・マネジメント(R)検定試験オフィシャルサイト】
http://www.mental-health.ne.jp/
社会保険労務士
産休取得時の待遇や、社会保険関連の知識など、人事の仕事では労務に関する業務が多数あります。
そんな時に便利なのが社会保険労務士の資格です。
社会保険労務士とは、労働や社会保障に関する書類の作成代行や、企業の経営上で必要になる労務管理、社会保険の相談・指導を行う職業です。
この仕事の知識を習得することで、社員からの労務の質問に回答できるだけでなく、残業代や退職金、企業年金制度の構築など、様々な人事業務へと活かすことができます。
資格試験では、労働法令や社会保障法令、労働や社会保険に関する一般知識に関する問題が出題されます。
合格には800時間以上の学習が目安といわれており、その難易度は極めて高いです。
それだけに、この資格を有しているというだけで、人事としての信頼度も大きいです。
【社会保険労務士試験オフィシャルサイト】
http://www.sharosi-siken.or.jp/
中小企業診断士
新しい人事制度の導入や、今ある制度の改善など、経営層と共に業務を進めていく際に、経営全般に関する知識を有していることで、ロジカルに議論を交わすことができます。
知識を体系的に学びながら目指せる資格が、中小企業診断士です。
実はこの資格、合格には1000時間以上の学習が必要ともいわれる、社労士以上に難しい難関資格。
経済、財務・会計、経営理論、運営管理、経営法務、経営情報システム、中小企業経営などの試験に加え、実務補習も経て、晴れて中小企業診断士を名乗ることができます。
経営に関する資格では、MBA(経営学修士)が有名ですが、大学に通うために仕事を辞めるか、高額な授業料を払ってスクールに通う必要があります。
この中小企業診断士はテキストを使って自分のペースで学習を進めることができますので、仕事を続けながら、スキルアップが目指せます。
【中小企業診断士試験オフィシャルサイト】
https://www.j-smeca.jp/contents/007_shiken.html
人事総務検定
上記のような資格取得を目指すほどの余裕はないが、キャリアアップにつながるようなスキルを身に付けたいという方にオススメなのがこの人事総務検定です。
社会保険労務士と同様に、人事・労務管理・年金などにまつわる総合的な知識を習得できる資格です。
2017年3月までは講習受講のみで取得できた資格ですが、現在は講習受講に加えとテスト、レポートの提出によって合否が判定されています。
試験合格後、一般社団法人人事総務スキルアップ検定協会への会員登録と共に資格が認定され、協会が主催する研修会やイベントにも参加することが可能になります。
高位の認定になればなるほど、高度な知識が要求されますが、3級課程であれば人事業務を行いながら学習してくことで十分に資格取得が目指せますので、実務と並行しながら取得しやすい資格といえます。
【人事総務検定オフィシャルサイト】
http://jinji-soumu.akibare.ne.jp/
まとめ
普段何気なく行っている人事の仕事ですが、そのスキルを体系的に学ぼうと考えた場合、資格取得が有効に働くでしょう。
中には資格を取得するだけで、大きなチャンスを手に入れられるものもありますので、資格取得というゴールを目指しながら、自身にとって足りないスキルを補うための学習を進めていくことも選択肢としては悪くないかもしれません。
今後、どんなキャリアを形成し、どのように働きたいのか。具体的にイメージしながら、計画的に学習を続けていくことが、より良いキャリア構築への近道です。