会社から従業員に向けて様々な情報を発信するための「社内報」。
昔は紙の発行が一般的でしたが、最近ではデジタルの発達によってWebやアプリで読める社内報が増え、その目的や内容も変わってきているようです。
単なる社内情報を共有するだけのツールではなく、最近は社員のモチベーションアップや組織力向上の効果を狙うなど戦略的に利用する会社が増えています。
社内報の役割や活用のメリットに加えて、社内報に使いやすいコンテンツなどもご紹介していきます。
「社内報」とは
社内広報を略したものが社内報です。
社内報は従来、会社から従業員に向けて社内情報を発信したり、経営者や幹部の想いを伝える方法の一つとして多くの企業が利用していました。
経営方針や社員の昇進・部署異動、社内活動やイベントなどの発表や報告などが主なコンテンツで、情報を共有することで企業文化や考え方の統一を図ったり、社員のことを知る場でもありました。
特に従業員が多い大企業の場合は上層部の意向やマインドが伝わりにくいため、社内報で大勢の社員への情報伝達を一斉に行えるというメリットを利用して定期発行しているケースがほとんどです。
でも、社内報の意図は社内情報の共有だけではありません。
読んで終わりではなく、社員にその先の行動を期待し、「会社全体の組織力を高めること」が大きな目的なのです。
しかしながらその意図を知らない社員からすると一方通行な伝達イメージが強く、実際に社内報の隅から隅まで目を通している人の割合は決して高くないのが現状。
なかにはまったく読まない人もいるでしょう。
そのため、社内報がどんな目的で発行されているのか、社員に何を期待しているのか、会社側の意図を社員に伝える必要があります。
まずは社員に社内報を発信する目的を理解してもらい、「社内報を読むこと」に必要性を感じてもらうことが第一歩なのです。
社内報の目的って何?
では、社内報の目的・役割にはどんなことがあるでしょうか。
前項でも述べたように、社内報を発信する最大の目的は「会社の組織力を向上させ、強くすること」です。
そのため社内報で発信される内容は、大きく分けて下記5つの目的を持ったものが一般的です。
◆会社の経営方針や経営ビジョンの伝達
◆社風や企業の価値観の継承
◆新入社員、退職者など社員情報の共有
◆イベントや掲示板などでの社員間のコミュニケーション強化
◆社員への自己啓発やモチベーションの向上
社員がこうした情報を知ることで何かしら気づき、それを持って自発的に行動していけば組織全体の活性化に繋がっていきます。
さらに、社内報を定期的に発信することで社員の帰属意識は高まりますし、結果的に日々の業務に積極的に取り組めるようになるといった効果も期待できるでしょう。
しかし、せっかく意図を持って作成しても、社員に読まれなければ意味がありません。
社内報の効果を最大限にするための伝達方法も近年は多様化しています。
昔ながらの紙での発行だけではなく、社内イントラネットでの掲示板やメルマガ配信、ブログやインスタなどSNSの活用も増えています。
伝達方法を増やすことでリアルタイムで全社員に通達することができ、社員はいつでも簡単に読むことができるようになります。
社内報を活用するメリット
このように社内報には色々な目的や役割があることがわかりましたが、メリットもたくさんあります。
全国・全世界の従業員に発信できる
紙の発行だけだと難しいですが、インターネットを利用することで複数の地域にいる社員に平等かつタイムリーに情報を届けることができます。
社員数が多く拠点範囲が広いほど、他の地域の社員とコミュニケーションできる場として重宝されるでしょう。
内容がカタチとして残る
社内イベント写真などはもちろん、会社ならではで言うとたとえば社員表彰や功績など社員を評価した内容をモノとして残すことができます。
表彰式などもありますが、社内報の方が気軽に公表しやすく頻度も増やせますし、他の社員に伝わりやすい点は社内報だからこそのメリットです。
SNSのような拡散効果がある
SNSなどであればそれを見た社員から拡散され、情報が早く伝達できる場合もあります。
社員間のコミュニケーションも活発になりますし、社員からフィードバックがしやすい形にすれば、面談や会議などで言えないような率直な意見や要望を拾いあげることも可能です。
家族や友達、恋人にも会社を理解してもらえる
紙発行の場合は家族も手に取って読むことができます。
家族に会社の経営状態や社風を知ってもらったり、ブログやSNSであれば友達や恋人などに会社や働いている社員の雰囲気を知ってもらうために役立ちます。
読まれる社内報作りにおすすめのコンテンツ
社内報の目的がただ伝えるだけではない以上、「ちゃんと読んでもらえる社内報」を作成することが重要です。
どんな内容にすれば社員に読んでもらえるのか、どんなコンテンツを入れれば興味を持ってもらえるのか…社風や目的、課題などによって社内報の内容や発信方法は異なってきます。
まず何を目的として社内報を作るのかを設定してからコンテンツを決めていくのがベストです。
ターゲットや目的が絞り切れない場合は、それぞれ違う設定で作成すれば良いでしょう。
ここでは社内報づくりが初めての方にも使いやすいコンテンツをご紹介します。
一般的に活用しやすいコンテンツ
・季節のイベントや、社内イベント、部活動の報告
・社員や新入社員の紹介・インタビューコーナー
・経営陣からのメッセージ、業界ニュース
・アンケート、意見・投稿の募集
・プレゼント企画、社内フリマ
・会社周辺のおすすめランチスポットや人気社食メニューの紹介 …など
若手社員の育成が目的
・活躍している若手社員のインタビュー
・知って得する技術や知識の解説コーナー
・社内外研修やセミナー情報 …など
社内コミュニケーションの強化が目的
・従業員の家族にスポットをあてたコーナー
・子育て中の社員や育休から復帰した社員の紹介
・社員紹介リレー、社員の座談会 …など
気を付けるべきこととして、たとえば代表のメッセージ、社長の対談、トップ営業マンのインタビューなど、社内で権威ある人ばかりを取り上げると、現場との距離ができ逆効果になりかねません。
また、面白いものを優先してインパクトのある企画ばかりでも本来の社内報の目的からズレてしまうため構成には配慮するべきです。
まとめ
社内報は古くから社内情報を共有する手段の一つとして作成されてきましたが、最近は単に伝えるための媒体ではなく、社員に行動を促すためのコミュニケーションツールとして戦略的に活用する会社が増えています。
社内報の活用によって結果的に会社の組織力を強くすることができ、企業の業績アップや成長に繋げたいと考えているからです。
そのためには、まずは社員に読んでもらえる社内報を作らないと意味がありません。
自社がどんな社風なのか、どんな社員がどんなことを望んでいるのかなど、社員の目線に立って考えることが大切です。
社員に毎回楽しみにしてもらえるような社内報ができれば、コンテンツの幅や活用法も拡がっていくでしょう。