転職・求人サイトのCMが当たり前のように流れている昨今、転職する人の増加が止まりません。

 

厚生労働省の「個別労働紛争解決制度の施行状況」によると、2016年度には退職相談件数が解雇相談件数を上回りました。

 

そんな中、ネットやテレビなど最近メディアに取り上げられることが増えたのが「退職代行サービス」。

 

もしあなたの会社に退職代行サービスから連絡が来たら人事としてどのような対応が適切なのでしょうか。

 

ここでは、サービスの詳細や対応方法について述べていきます。

 

今話題の“退職代行サービス”って?

退職代行サービスとは、会社を辞めたいけれど

 

「上司に言いづらい」

「辞めさせてもらえない」

「懲罰がこわい」

 

などの理由でなかなか辞められない社員の代わりに、退職に必要な連絡や手続きを行ってくれるというものです。

 

相談依頼は主にLINEやメールが多く、利用者からすると会社側と一切の直接やり取りを行わずに退職できるといったメリットがあります。

 

退職代行業者ができること、できないこと

ここでしっかり認識しておくべきなのは、退職代行業者は、あくまで退職の意思表示や退職手続きの補助(会社への返却物や私物に関する連絡、離職票の郵送など)のみしか行えないということです。

 

たとえば未払い残業代の請求や有給休暇の買取請求などの交渉は原則できません。

 

権利義務に関する交渉やアドバイスとなると原則として弁護士など(※1)しか行えないため、弁護士などでない業者がこれらの交渉を行った場合は「弁護士法違反」となります。

 

なかには弁護士がサービスの一部として退職代行をしているケースもありますが、ネット検索でヒットする大半の事業者はあくまで退職の申出を本人に代わって会社側に伝える「使者・連絡係」のような立場としてサービスを提供しているようです。

 

※1…140万円以下の交渉等の場合は認定司法書士も可

 

退職代行業者から連絡が来たらまず行うべきこと

では実際に退職代行業者から自社社員の退職についての連絡があった場合、どう対応すればいいのでしょうか。

 

まず前提として、退職代行業者は「本人からの要望」として伝えてきます。

 

その上で一番はじめに行うべきことは、「自社社員と退職代行業者の間に、契約関係があるのかの確認」です。

 

なぜかというと、もし確認をせずに退職の処理をしてしまった場合、その後に「相談したただけで依頼までは頼んでいない」「本当は辞めたくなかった」などと言われた時、会社側に落ち度があると判断される可能性があるからです。

 

何かあった時のリスクヘッジとして、自社社員が本当にその退職代行業者を通して退職手続きをしたいのかどうか、きちんと文書などで確認しておく必要があります。

 

ただ、退職を希望する本人は業者に依頼するくらいですから、精神的にも会社と直接連絡を取るのは難しいと思いますので、業者に対してたとえば委任状や契約書、本人がその業者に依頼したという証拠があるかどうか確認するのがベストです。

 

退職代行業者への対処法

契約関係があるかどうかで次に対応すべきことが違います。

 

契約関係があった場合

実際にその業者を窓口として退職処理を進めるのかどうかを検討します。

 

業者から連絡がきたからといって必ずしも業者を通して退職手続きを行わなければいけないわけではありません。

 

退職理由や本人が業者を利用せざるを得なかった事情にもよりますが、業者を通さずに本人と連絡を取って手続きを進めていくことも可能です。

 

契約関係が確認できない場合

確認できない場合は特に対応に気を付けないといけません。

 

この業者を窓口にしていいのかを本人に直接確認するか、または業者を通じて本人から直接会社へ連絡してもらうなどの何らかの対策をとった方が良いです。

 

この件に関しては伝達ではなく「直接」というところがポイント。

 

本当に退職代行業者を利用して退職したいのかどうかを何らかの形で確認するべきです。

 

弁護士自身が退職代行をしている場合

多くの退職代行業者は顧問弁護士を付けていて、交渉の必要がある場合に顧問弁護士が出てきて対応する形をとっています。

 

もちろん対応しないという選択もできますが、何かあった場合に訴訟などの法的手続きをされる可能性が出てきますので慎重に判断しましょう。

 

弁護士以外からの「交渉」に応じてはいけない

前項でも触れた通り、退職代行業者は原則として会社側に本人の退職の意向を伝えるのみで、未払いの給与や残業代の請求や有給の買取りなど権利義務や金銭が絡む「交渉」は一切行えません。

 

会社が社員にお金を貸しているような場合も同じです。

 

もし、弁護士などでない業者からこれらの交渉をされた場合は、毅然とした態度でその件については対応できないことを伝えましょう。

 

たとえば、「消化していない有給を買い取ってほしい」という要請があれば、「そもそも有給を買い取らなければいけないという法律的な義務はなく、もし話し合いを希望するなら本人以外とはできない」といった旨を伝えてください。

 

「法律上対応できない」ということをハッキリ伝えれば、業者側も当然そのことを知ってるはずなので弁護士などでない限りそれ以上追求されることはないでしょう。

 

まとめ

「業者を使って退職手続きをするなんて…」と驚く人も多いと思いますし、無責任だと感じる人もいるでしょう。

 

ただ、退職の申出を自身で行えない境遇に立たされている・精神状態に陥っているといった場合は、最悪無断欠席からそのまま連絡がつかないなんてことになりかねません。

 

いわゆる「バックレ」という事態も考えられるわけです。

 

もし連絡が取れないと、貸与物の返還などもできずセキュリティー面で大きな問題となる可能性もあります。

 

そういう観点から考えると、退職代行業者を窓口にして退職を進める方法も決して悪いことばかりではないかもしれません。

 

ただやはり「今日で退職します」というのは業務上支障をきたすなど混乱を招きかねません。

 

雇用期間や報酬の支払い方にもよりますが、民法上は原則2週間前までに退職の意思表示をすれば退職は有効です。

 

その点を踏まえて会社として退職時のルールなどを就業規則などにしっかり定めておくのは必須でしょう。

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