2017年政府が提唱した「働き方改革」をきっかけの一つとして、個人に合わせた多様な働き方の選択ができるようになり始めた現在。

 

コロナ禍をきっかけに急速に拡大し、業界や規模問わず取り入れられつつある「リモートワーク」。

 

この新しい働き方の特徴や導入事例を見ながら理解を深めていきましょう。

 

リモートワークとは

在籍する会社・勤務地とされるオフィスには出社せず、自宅をはじめカフェなどの自由な場所で遠隔で業務を行うワークスタイルのことを言い、その中でもリモートワークに関するシステム構築を専門とするNC Broadband社(米)では、雇用形態と遠隔で従事する時間によって4つのレベルに分類しています。

  1. 企業に正規雇用され、週の何日かをメインのオフィスで働くハイブリッド型
  2. 企業に正規雇用され、勤務時間の全てを遠隔の業務により従事するフルタイム型
  3. 外部契約の形態(非正規)で勤務時間の100%を遠隔で業務を進行するアウトソース型
  4. 育児など特別な理由により一時的に遠隔で業務を行うテンポラリー型

イギリスのケンブリッジ辞典では「従業員が自宅を主として働き、メールや電話を使って企業とコミュニケーションを取る状況」と定義しているリモートワークですが、以前より日本でも働き方の一つとされてきたテレワークや在宅勤務とは何が違うのでしょうか?

 

テレワーク

「遠い(tele)」+「仕事(work)」が語源。

 

自宅で行う「在宅勤務」、いつでもとこでも仕事が可能な状態の「モバイルワーク」、サテライトオフィスなどで勤務する「施設利用型勤務」のことを指します。

 

その他、自営業者が遠隔で仕事をする自営型も含まれます。

 

在宅ワーク

最近では商品のモニターやシール貼り作業など、内職や自宅でできるアルバイト的な意味合いで使われています。

 

改めて見てみると昨今のリモートワークには、テレワークや在宅ワークといった側面を含めた社員の働き方であることが分かります。

 

リモートワークのメリット・デメリット

自由度の高さが大きく打ち出されているリモートワーク。

 

実際にはどんなメリット・デメリットを持っているのでしょうか。

 

従業員のメリット

生産性の向上

自身にとって快適かつ集中できる環境で勤務することが可能

 

時間の制約が少ない

通勤時間をはじめ、同僚との世間話や不必要な会議、夜の接待など、個人にとっての妨害を最小限に抑えることが可能

 

企業のメリット

優秀な人材の確保

場所・時間の制約がある人でも働きやすくなり、居住地や育児や介護など制約がある方でも、環境さえ整えば長く活躍することができる

 

コスト削減

光熱費など固定費部分の削減。

従業員の交通費など、従業員1人に関わるコストも低減が見込まれる

 

従業員のデメリット

孤独になりやすい

煩わしい人間関係を断つと共に、自分から機会を作らないと会話・コミュニケーションを取る機会が大幅に減少してしまう

 

スケジュール管理

工夫すれば生産性を上げることができる反面、スケジュールやタスクの管理の仕方によっては逆に長時間労働に繋がってしまう場合もあり

 

企業のデメリット

マネジメント問題

勤怠管理をはじめ、新人や部下の育成機会の減少など、社員が相互に影響し合いながら成長するという機会を設けることが困難となる

 

評価制度

普段の勤務態度や成果に至るまでの経過が見えにくいため、結果のみが評価の判断基準になってしまうなど、評価の定義が分かり難い点も問題の一つ

 

リモートワークの注意点

リモートワークの多くはパソコンを使う仕事なので、安定したインターネット環境の確保が必要となります。

 

環境整備やデータ管理、セキュリティー問題も注意が必要です。

 

実際に導入している企業が多い中、思うように成果が出ずリモートワークを廃止した米ヤフーや米IBMの例を参考に、その他の注意点をあげていきます。

 

「チームワーク」や「一体感」「コミュニケーション」不足

社員同士の信頼関係の希薄や会社に対する帰属意識の薄さが問題視されました。

 

勤怠管理問題

上司や同僚からの監視の目がないため、ダラダラ仕事をしてしまう。

 

残業削減の取り組みなどの制約がなくなり、逆に長時間労働に繋がってしまう。

 

これは、リクルートワークス研究所が行った「全国就業実態パネル調査2016」の結果からも「働く場所を選ぶことができる男性の17.3%が週に55時間以上働いている」という結果が出ています。

 

「成果を出さないと、仕事をサボっていると思われる」というプレッシャーから、長時間労働に繋がってしまうというケースも見受けられます。

 

上記の内容の他にも、コスト面でも思うような成果が出せなかったことから、リモートワークは廃止になったと言われています。

 

リモートワーク導入事例

ここではリモートワークを実際に導入し、成果が出ている企業を紹介していきます。

 

株式会社キャスター

オンラインアシスタントサービスを運用している株式会社キャスター。

 

2014年9月に創業、従業員数は170名以上の企業です。

 

導入理由

Web上からクライアントのビジネスサポートを行うため、働く場所によらず業務を進めやすいという点からリモートワークを導入しました。

 

成果

従業員170人のうち、オフィスには常時3~5名在籍体制を構築。

 

営業や経理といったリモートワークの対象になりにくい職種にも対応し、様々な職種でリモートワークを実現しています。

 

これによって、リモートワークでしか働くことのできない事情を持った優秀な人材や東京以外での人材採用を促進できました。

 

この他、日産自動車株式会社や株式会社ローソン、株式会社ベネッセコーポレーション、株式会社カルビーなど大手企業も制限はありますが、2010年前後を境にリモートワークを取り入れはじめています。

 

リモートワークならではのメリットを活かそう!

コロナ禍を皮切りに、多くの企業が導入を進めたリモートワーク。

 

IT業界だからこそ実現できる働き方というわけではなく、企業にとってのメリット・デメリットを考えながら、コミュニケーションツールの導入や評価制度の見直し、規則を必要に応じて整備しながら取り入れることで、雇用の拡大や社員の満足度向上に繋がるでしょう。

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