仕事をしていて“あの人の知識がほしい”と思ったことありませんか。
この分野はAさん、この分野ではBさんの知識ややり方を知りたい!どこかにまとめてあれば良いのに、というのはきっと誰もが一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
今回は、知識の共有ができるナレッジマネジメントについてご紹介いたします。
ナレッジマネジメントとは何か
同じ仕事をしていても、人によって得意な分野や知識量は異なりますよね。
ナレッジマネジメントというのは、仕事をしていくうちに社員が得たそれぞれの知識を整理し、社内全体で共有するシステムです。
ナレッジマネジメントは個人だけが知っているノウハウなども共有できるため、その知識を活かして会社全体の業績を向上させる経営手法の一つであり、専用ツールなどを使用して取り入れる企業が増加しています。
ナレッジマネジメントで対象となる“ナレッジ”とは、売り上げなどのデータやさまざまな情報、個人が蓄積してきた知識、ノウハウといったものが含まれます。
こうして見ると、働いていく上で必要なものは、ほぼ全てナレッジに含まれることが分かりますね。
ナレッジマネジメントのメリット
ナレッジマネジメントの導入で得られるメリットは【教育の効率化】【業務効率アップ・生産性向上】【顧客対応力向上】などが挙げられます。
ナレッジマネジメントを利用することで、それぞれの分野に特化した知識やノウハウを会社全体で共有することができるため、教育の効率化や一定以上の社員の品質向上を見込めます。
また、急な退職などがあった場合も、ナレッジを共有しておくことで欠員による機会損失を防ぐ効果が期待できます。
さらに、これまで形として残すのが難しいとされてきた“暗黙知”と呼ばれるコツなども、技術発達などにより具体的な形でまとめることができるようになったため、業績アップの可能性が考えられます。
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【暗黙知】
コツやノウハウなどといった、具体的な形や言葉として伝えることの難しい知識
【形式知】
数字や文章など、具体的な形や言葉として伝えることのできる知識
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ナレッジマネジメント導入はメリット満載で魅力的ですね。
しかし、せっかく導入をしてもあまり機能していないという企業さまも実は多いようです。
では、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
ナレッジマネジメントのデメリット
ナレッジマネジメントは活用できれば得られるメリットは非常に大きいです。
しかし、“ナレッジ”自体を持っているのは会社で働いている社員ですので、活用できるか否かは社員次第と言えます。
せっかく費用をかけてナレッジマネジメントを導入しても、ナレッジという資産を持つ肝心の社員が理解を示さないことには、効果が半減してしまいます。
特に、積極的に参加してほしい優秀な社員ほど忙しいことが多く、なかなか時間を割けないという声もあります。
また、完全成果主義の人事制度を取り入れている場合は、自身の給与に関わってくるため、非協力的になる可能性が考えられます。
ナレッジマネジメント導入を成功させるためにも、まずは社員の意識改革が必要となります。
社員に協力してもらうためには、下記の点について説明を行い、社員の理解と意識向上を図ることが欠かせません。
・ナレッジマネジメントとは何か
・導入することで得られるメリットは何か
・ナレッジマネジメント導入の目的
・どのような情報を共有したいのか
ナレッジマネジメント導入事例
実際にナレッジマネジメントを導入した企業の成功事例と失敗事例を見てみましょう。
成功事例
企業価値向上を目的としてナレッジマネジメントを導入したA社。
マニュアルや製品資料などの業務に必要となる情報を共有することで、さまざまな部署の方が活用、生産性の向上と共に風通しも良くなりました。
さらに、提供されたナレッジの貢献度などを評価基準に盛り込むことで、社員のモチベーションアップを促進しています。
失敗事例
ナレッジマネジメントを導入しても活用しきれず、失敗に終わってしまったB社。
必要なナレッジがあまり集まらず、提供していた社員も、徐々に使わなくなってしまいました。
この失敗事例は、ナレッジ発信者である社員が必要性を感じていなかったことの意識の低さが挙げられます。
ナレッジマネジメントに対する理解と、利用者を意識した検索ワードの設定、情報の随時更新が大切であると考えられます。
まとめ
ナレッジマネジメントについて触れさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
ナレッジマネジメント導入が上手くいけば、将来必ず企業にとって有効となります。
失敗してしまう原因は、実際に入力する社員がメリットを感じていないことや、ナレッジマネジメントについて十分に理解していないことがほとんどです。
日々の業務でナレッジ共有に消極的な社員もいるかと思いますが、管理者が率先して取り組み、風土を作っていくことが重要となります。
現場に転がっていたりする重要なナレッジを活用するためにも、社員への丁寧な説明は外せませんね。