人手不足が深刻化し、転職市場が活発になっている現在、人材確保に頭を抱えている企業も多いのではないかと思います。

 

退職者が出てしまったとき、“本当の退職理由”をヒアリングできていますか。

 

退職する当人にとっても、少なからずリスクのある“退職”。

 

決意するには、リスクを負ってでも退職する理由があります。

 

「やりたいことが見つかった」などプラスの理由なら良いですが、「職場環境に不満がある」などマイナスの理由で退職を決意した場合、労働環境改善に繋げることができるかもしれません。

 

ここでは、退職面談を実施する際の方法や質問事項、注意ポイントなどをご紹介します。

 

退職面談とは

退職面談とは、従業員が退職する際に面談を行うことで、退職のホンネを聞き出そうというものです。

 

面談を行い、退職者の理由を聞くことで労働環境を改善し、離職率を低下させる狙いがあります。

 

※退職者の状況を第一に加味し、無理やり聞き出すなどはしないように心がけてください。

 

エン転職が退職理由のホンネと建前について調査を行ったところ、「ホンネの退職理由を会社に伝えた」と回答した人が53%、「建前の退職理由を会社に伝えた」と回答した人が47%であることが判明しました。

 

ホンネの退職理由も調査しており、結果は下記の通りです。

 

『本当の退職理由』

1位 人間関係が悪かった(25%)

2位 評価・人事制度に不満があった(12%)

3位 給与が低かった(11%)

3位 社風や風土が合わなかった(11%)

3位 残業・休日出勤など拘束時間が長かった(11%)

参照:en転職「家庭の事情はウソ?退職理由のホンネと建て前(人事労務Q&A)

 

建前の退職理由を伝えた人は約半数という結果から、しっかりヒアリングを行わないと、本当の退職理由を知ることができないと考えられます。

 

また、ホンネの退職理由を見てみると、職場に何かしらの不満を持っている人が多いことが分かります。

 

企業が退職面談をすることで得られるメリット

労働環境や組織を改善したいと考えた時、不満を持っている人に聞くことが一番早い方法です。

 

つまり、退職者が語ったホンネから会社の労働環境や人事評価制度などの改善点を見出すのです。

 

例えば、職場の中でも人の入れ替わりが激しいチームは、人間関係に問題のある場合も多く、的確な状況認識と問題点の把握をしなくてはなりません。

 

現状を把握するために、退職を申し出た人へしっかりヒアリングを行うと、問題点を洗い出すことができます。

 

また、今は退職する意思が固まっていたとしても、別の会社に勤めることで、自社の良さを再認識するケースもあります。

 

本人が「またここで働きたい」と思った時に戻って来やすいよう、退職面談を利用して繋がりを持っておきましょう。

 

退職面談の方法・質問事項は?

退職面談の方法は企業によって異なりますが、2~3回程度行われることが一般的で、『本当の退職理由を聞き出すこと』以外にも『従業員を引き留める目的』として行われます。

 

ヒアリングの際は、下記3つのポイントに沿って行いましょう。

 

・本当の退職の理由

・職場に不満があるようなら、問題点

・転職先は決まっているか

 

面談の際に聞いておきたい質問は、従業員のホンネです。

 

話しやすい雰囲気や面談担当者が聞く姿勢を示すことで、ホンネを打ち明けやすくなります。

 

具体的な質問例

「人間関係に悩みがありましたか」

「働いていて引っかかるところはありましたか」

「待遇面で気になるところはありましたか」

「職場環境に不満はありましたか」

「退職の意思は固いですか」

「すでに転職先は決まっていますか」

 

引き留める目的で退職面談を行う場合、続けてほしいという気持ちが強いあまり、しつこくしてしまうと逆効果になります。

 

決して無理に聞き出したり引き留めたりはせず、本人と話してみて退職の意思が固いようであれば、気持ちよく送り出してあげましょう。

 

退職面談を行うときの注意ポイント

退職理由のホンネを話さない人が多いのは、退職手続きのトラブルを避けたいという点から、あまり余計なことを口にしないからです。

 

安心して話してもらうには、対象者の不安を事前に取り除き、話しやすい雰囲気作りをする必要があります。

 

退職手続きを済ませる

「退職前に余計なことを言うと、退職手続きにトラブルが起きそう」と不安を感じている方もいるため、事前に退職手続きを完了させてから実施するようにしましょう。

 

まずは退職者の不安を解消することが重要です。

 

面談担当者は話しやすい人物であること

先ほどご紹介したランキングからも、人間関係が原因で退職するケースは非常に多いことが伺えます。

 

人間関係に問題を感じている場合、特に退職理由を話したがらない傾向にあります。

 

チームとは関係のない人事が第三者として面談をすること、もしくは、退職者が話しやすい人物を任命するなど柔軟な対応が必要です。

 

聞き役に徹する

退職面談時に最も意識しなくてはならないのが、聞き役に徹することです。

 

「理由を話したら面談担当者が不機嫌になってしまった」という声もあります。

 

せっかく理由を話しても素直に聞いてくれなかったら、話すだけ損に感じてしまいます。

 

会社の不満点を挙げられていると、頭に来ることもあるかもしれませんが、退職者の感じた不満から職場環境を改善させることが面談の目的です。

 

不平や不満を引き出すことが重要と考えましょう。

 

面談環境に配慮する

退職面談は非常にデリケートな内容で、周囲に聞かれたくないという方もいらっしゃいます。

 

会話の内容が外部に漏れないよう、来客対応スペースを利用するなど配慮しなくてはなりません。

 

また、社内では打ち明けづらいことでも、社外だと話しやすくなることもあります。

 

落ち着いた雰囲気の喫茶店を利用するなど、外での面談もおすすめです。

 

まとめ

職場環境に不満があったり、ライフスタイルの変化など当人の状況が原因であったりと、退職理由は人それぞれです。

 

従業員が辞めるのは企業にとって痛手ですが、『辞める理由』は組織を改善するきっかけにもなります。

 

ヒアリングした内容から改善策を講じるまで、時間が必要なことも多々ありますが、長期的に見て定着率向上や、厳しい採用市場の中でアピールポイントに繋がる可能性も期待できます。

 

安心してホンネを話せるような雰囲気を作り、退職者の気持ちに寄り添いながらヒアリングを行ってみてはいかがでしょうか。

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