近年、内定辞退が増加傾向にあることを実感している方も多いと思います。
「面接では第一希望だと言っていたのに内定辞退された」「内定者フォローは何をしたら良いのか分からない」など、お困りではないですか。
採用市場の厳しい現在、内定辞退は避けたいものですね。
今回は、内定者フォローの具体例やポイントについてご紹介します。
なぜ今、内定者フォローが重要視されているのか
少子高齢化の進む日本では、大卒の有効求人倍率が1.83倍(リクルートの調査結果)という超売り手市場となっています。
これにより、大企業に学生の応募が集中し、中小企業への応募が減少するといった二極化が進んでいるため、中小企業の人材確保は特に厳しい状況が続いています。
このような背景から、一人の学生が複数の内定をもらうケースも多く、必然的に内定辞退の割合も増加しているのです。
内定を出すまでには、求人応募や説明会、選考など多くの工程を経ることになりますが、辞退されると、それまでにかけてきた手間もコストも水の泡になってしまいます。
企業が優秀な学生を確保し、採用に掛かるコストを削減するためには適切な内定者フォローを行い、内定辞退を発生させないことが重要です。
内定者フォローは、学生の抱えている不安を解消して、入社の意思を固める目的があります。まずは学生がどのような不安を抱えているのか見ていきましょう。
内定者は不安?内定者のリアルな悩み
適切な内定者フォローを行うには、学生がどのような不安を抱えているのかを理解する必要があります。
下記はマイナビが2017年卒の学生に行った内々定者フォローを希望する理由の調査結果を一部抜粋したものです。
内々定者フォロー・内々定者研修を希望する理由
・内々定者同士の人間関係を深めたい 71.9%
・先輩社員や人事担当者との人間関係を深めたい 55.7%
・入社予定先の職場の雰囲気を知りたい 53.9%
・入社後の仕事内容について深く知りたい 51.2%
・社会人として必要な知識やスキル、マナーを身に付けたい 36.8%
出典:マイナビ「2017年卒マイナビ学生就職モニター調査 7月の活動状況」
人間関係や職場の雰囲気、仕事内容について不安を感じていることが分かります。
特に、今後一緒に働く先輩や同僚との人間関係構築が重要視されており、早い段階からコミュニケーションを取り、関係を築きたいと考えている学生が多いようです。
また、企業研究を行っていても、職場の雰囲気や実際に働いている姿をイメージすることは難しく、学生の持っているイメージとギャップがあった場合、早期退職につながる可能性が高くなってしまいます。
企業や仕事内容についての理解が深められる内定者フォローを行い、入社後の不満を減らすことが大切です。
企業ができる内定者フォローとは?
一口に内定者フォローと言っても、さまざまな種類があります。
ここではスタンダードな4つの例をご紹介していきます。
内定者懇親会
最もスタンダードな内定者フォローです。
他の内定者や先輩社員とのコミュニケーションを取ることで、人間関係の構築や社風を理解し、より強く入社の意思を固めてもらう目的として開かれることが多いです。
内定者懇親会の目的や注意点などは『内定者懇親会を楽しいイベントにするためのポイント』にて詳しくご紹介しています。
面談
内定者と定期的にコミュニケーションを取ることで信頼関係を築き、意欲を向上させる効果が期待できます。
ただし、あまり頻繁に行うとオワハラと捉えられる可能性もあるので、学生が負担を感じない程度に行いましょう。
オワハラについては「その面接、オワハラかも?人事が知っておくべきオワハラの実態」にて詳しくご紹介しています。
内定式
日本経団連の定めている10月に開催されるケースが多く、内定書の授与、社長や役員からの挨拶、事業内容の説明などが行われます。
内定式では、社長や先輩社員などの話を直接聞くことができるため、企業への理解が深まります。
また、内定式を実施すると入社の実感が湧いてくるので、モチベーションも上がり、内定辞退が出づらくなります。
職場見学
入社後の配属先を、先輩社員が説明しながら見学します。
配属予定先を見学することで働く姿をイメージしやすくなり、仕事内容についての理解が深まります。
入社後のギャップが軽減されるため、早期退職防止に繋がります。
内定者フォローで心掛けるポイント
内定者を取り巻く状況や時期によって、フォローを行う際の注意点は変わってきます。
内々定をもらっている時期
就職先を検討する時期で、学生から選ばれるよう魅力付けを行う必要があります。
適度に連絡や面談を行い、学生の不安が解消できるよう積極的に情報を開示することが重要です。
就職先を検討している段階での面談は、学生にとってハードルが高く感じる場合もあるため、メールやLINEなどのツールを利用している企業もあります。
内定承諾~内定式までの時期
内定承諾~内定式までは入社の決断が揺らぎやすく、最も辞退が発生しやすい時期です。
面談や内定者懇親会などを行い、コミュニケーションを取ることで内定者の不安を解消することが大切です。
内定者懇親会を成功させるためのポイントについては「内定者懇親会を楽しいイベントにするためのポイント」にてご紹介していますので、併せてご覧ください。
入社式~入社までの時期
入社式開催後は、辞退が出にくい時期ですが、卒論や単位不足によって卒業の危うい学生もいるため、相談室を設置している企業もあります。
また、この時期に社会人として身に付けておきたいビジネスマナーなどの勉強会や、研修を開くことで、社員の育成に積極的な企業というプラスの印象を与えることができます。
まとめ
今回は内定者フォローについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
超売り手市場の現在、人材確保や採用コスト削減のためには内定者フォローが欠かせません。
優秀な学生を確保するためには、内定者がどの時期に、どのような心理状況にあるのか把握することが重要です。
その上で、不安を解消できるよう、しっかりとフォローし、内定辞退を防ぎましょう。