面接は応募者と直接顔を合わせる重要な機会です。

 

面接の時間を有意義なものにし、応募者の資質を的確に判断するためには、面接官にもそれ相応のスキルを求められます。

 

ここでは、面接官に必要なスキルについてお話ししていきます。

 

コミュニケーション能力

面接官に限ったことではありませんが、当然コミュニケーション力は非常に重要です。

 

ただ、面接官に求められるコミュニケーション力とは、単に「話し好きな人」や「社交性のある人」ということではなく、会話の中で的確に情報をくみ取る能力を指します。

 

ここではコミュニケーション力を3つの要素に分けて分析していきます。

 

質問力

最初にお話しするのは『質問力』です。

 

簡潔に言うと、5W1H(いつ・どこで・だれが・何を・なぜ・どのように)を意識した上で、詰問にならないよう優しく問いかけ、応募者の答えを引き出す能力です。

 

面接官から質問するのは採用における基本ですが、応募者から引き出した答えは事前に用意してきたものかもしれませんし、咄嗟に考え付いたものかもしれません。

 

応募者の素が出やすいのは当然後者。

 

できるだけいろいろなパターンの質問を用意し、応募者の「咄嗟の回答」を引き出せるようにしましょう。

 

回答を受けたら、その内容を掘り下げることも重要です。

 

例えば、採用したい人の志向が『積極的な人』『協調性のある人』なら、「自ら率先して行っていることは何か」「どうやってチームをまとめているのか」といった形で、必要な資質を問う質問を心がけましょう。

 

共感力

この場における『共感力』は、相手の気持ちにシンパシーを感じる力というよりも、「相手のペースに合わせるタイミングを見極める能力」を指します。

 

相手の目を見て話し、聞くところは聞くというメリハリをつけることで、応募者も、面接官自身も円滑に会話を進められるようになります。

 

これは、様々なタイプの人と会話することで高めていくことが可能です。

 

会話で重視されるもののひとつに、「話すスピード」があります。

 

緊張すると早口になってしまうことはよくありますよね。

 

応募者の緊張をほぐすために、面接官としてゆっくり話すことを心がけると緊張が解け、応募者から本音を引き出しやすくなるのです。

 

応募者が話をしているときは相槌をうつなどして、相手のスピードをコントロールしてあげるといいでしょう。

 

会話のスピードを調整できるようになったら、次は雰囲気を意識してください。

 

面白いこと、楽しいことなど、ポジティブな話題に共感し、話を広げていくことができれば、応募者からも「この人ともう一度会って話したい」と思ってもらえます。

 

話すスピードと雰囲気を意識しつつ、多くの人と会話することで、相手をよく見て理解するスキルは磨かれます。

 

ぜひ試してみてください!

 

表現力

突然ですが、面接における理想の発言割合は【面接官2割:応募者8割】と言われています。

 

面接官には、この2割の中で応募者の回答や質問に応じ、企業の魅力を最大限アピールすることが求められます。

 

その上で必要なのが『表現力』です。

 

応募者から質問された際は、シンプルな言葉でわかりやすく答えることが重要になります。

 

極端な話、小学生にも分かるように説明する言葉選びや説明の仕方が必要なのです。

 

小学生に理解してもらうためには、業界内でのみ通じるような専門用語は使えません。

 

当たり前だと思っていることにメスを入れ、誰にでも分かりやすい表現を追求し、アウトプットする努力を続けていきましょう!

 

質問への回答や応募者の回答に対するフィードバックも、ダラダラと多弁になってはいけません。

 

質問に対する回答は臨機応変に、フィードバックの内容はある程度事前にまとめ、いつでもコンパクトに話ができるよう準備しておくといいでしょう。

 

マナー

ここまでコミュニケーション力について細分化して説明してきましたが、次はマナーについてお話ししましょう。

 

人間の第一印象は「0.4秒」で決まるとされています。

 

面接官が応募者の人間性を外見や立ち振る舞いから判断するのに1秒かからないのと同じように、応募者が面接官に抱く印象も一瞬で決まるのです。

 

面接官の言葉遣いや身だしなみに関する情報は瞬時に就活市場に拡散されるものと心得、それ相応の姿勢で臨まなくてはなりません。

 

身だしなみの三原則は清潔、上品、控え目。

 

頭髪・ひげ・化粧・アクセサリー・メガネ・靴など、身につけているものや頭髪などをすべて鏡でチェックしてから面接に臨んでください。

 

私服OKの企業やオフィスカジュアルが許されている企業の方は、派手になり過ぎないよう心がけましょう。

 

態度や言葉遣いもマナーの良し悪しを大きく左右する要素です。椅子に背中を預けたり、足を組んだりするのは論外。

 

相手の話に頷き、前傾姿勢を意識するなど『傾聴』の姿勢を示しましょう。

 

場合によっては砕けた話し方は親近感がわき、応募者の緊張をほぐす効果もありますが、砕けすぎて悪印象を与えないよう心がけてください。

 

言葉遣いについては、事前に練習を重ねておきましょう。

 

まとめ

最後に面接官が持つべきもうひとつのスキル、【人間的魅力】について述べ、この話題を締めることにします。

 

非常に漠然としたスキルですが、端的に述べると「夢を語り、人を感動させる」ということです。

 

企業の将来像、自分の夢を活き活き語れる人とそうでない人を比べれば、どちらが人間的に魅力的かは一目瞭然でしょう。

 

自社で仕事をしていて得た「感動」を表現する能力こそ、面接官が持つべき人間的魅力です。

 

自社の事業や自身の仕事に誇りを持つことができれば、これまで述べてきたコミュニケーション力やマナーを習得する姿勢にも良い影響を与えるでしょう。

 

ここでお話ししたことが、面接官としてのスキルアップに繋がれば幸いです。

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