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■普及の背景

【ICT技術の進歩】

『Skype』や『Googleハングアウト』など、ビデオ通話が可能なアプリケーションが登場・普及したことが第一の要因として挙げられます。

企業だけでなく、一般にもスマートフォンが普及し、求職者側のオンライン環境が整ってきたことも、オンライン面接を導入する企業が増えている理由でしょう。

 

【大企業への就職希望者増加】

民間企業への就職希望者は例年40万人以上と言われています。

平成27年度の事例を取って見ると、民間企業就職希望者42.2万人のうち、従業員5000人以上の大希望を希望する学生が8.3万人という結果が出ています(リクルートワークス研究所より)。

大量の応募者一人ひとりに面接を行うには効率性を重視しなければならず、結果として大企業を中心にオンライン面接が普及したと考えられます。

 

【採用市場の拡大】

採用市場の競争激化に伴って、都心にある企業も地方や海外から優秀な人材を発掘する必要が出てきました。

低コストで遠隔地の求職者とコンタクトを取れるのは、オンライン面接の大きなメリットです。

 

 

■オンライン面接導入のメリット

【地方や海外へのアプローチがしやすい】

前項でも述べた通り、地域の枠に囚われることなく世界中の人材を対象に採用活動を実施できるのがオンライン面接の強みです。

もちろん、人口が集中している都市部を優先して活動する方が合理的ですが、当然競争率は激しく、中小企業は大手に押されがちです。

比較的競合他社が手を付けていない地方や海外にも目を向けることでそうした状況を打破し、人材の確保を図れます。

 

【時間・コストの削減】

地方や海外から来社する求職者の交通費や宿泊費をすべてカットできるのは非常に大きなメリットと言えるでしょう。

求職者からしてみても、移動や宿泊で疲れてしまうことがないのは利点です。

他社と面接が重なることも多い学生なら、面接時間の都合さえつけば面接の梯子もしやすくなります。

 

【面接官のスキル向上】

採用活動の効率が上がった分、面接の機会を増やせるので、面接の数をこなすことによって面接官のスキルアップを促すことができます。

また、オンライン面接の特色として求職者に関する情報量が若干減ってしまう点も、慎重に質問を選ばせることに繋がり、通常の面接では磨きづらいスキルの強化を図れます。

 

 

■実施における注意点

【判断材料の少なさ】

ICT技術は日進月歩で進化していますが、まだ対面による会話ほどスムーズにコミュニケーションを取ることはできません。

会話のタイミングの計りづらさから、どちらかが一方的に話し続けてしまったという失敗例もあります。

ただし、リスクを理解していれば「質問の内容を事前にメールで共有しておく」「質疑応答の役割を決めておく」といった対策を講じることは可能です。

 

【通信機器・ネットワークのトラブル】

面接中に通話が途切れるケースも考えられます。

応募者のネットワーク環境によっては上手く面接が進まず、適切なやり取りがなされない危険もあります。

まずは通信機器のトラブルが発生した際の対処方法について研修を行い、どうしても面接が上手くいかない場合の対処を求職者にあらかじめ伝えておきましょう。

 

【情報漏えいの可能性】

応募者を経由して動画の内容が流出するリスクは捨てきれません。

情報漏えいについては充分な対策が求められますが、仮に動画が漏れても大丈夫なように、面接官は面接中の態度や質問する内容一つひとつに細心の注意を払いましょう。

 

 

■導入事例

【例1】株式会社サイバーエージェント(エンジニア採用)

同社は2017年卒のエンジニア採用から一次試験としてオンライン実技試験を実施し、一次試験通過後も希望者にはオンライン面接を選択できるようにしました。

これにより、希望によっては最終面接で一度来社するだけで内定を取れる仕組みになっています。

 

【例2】ウェブリオ株式会社(正社員)

「weblio辞書」で有名な同社は正社員の採用にSkype面接を導入しています。

履歴書も郵送ではなくメールで送付し、一次面接を通過した応募者に対して、エンジニア志望の場合は「プログラミング課題」を、そのほかの職種を希望する応募者には必要に応じて「在宅課題(レポート提出)」を課しています。

 

【例3】ソフトバンク株式会社(ソフトバンク クルー(販売職))

書類選考後の面接にWeb面接を導入しています。

特徴的なのはSkypeによる面接かFaceTimeによる面接かを選択できる点で、パソコンのない応募者でも対応するスマートフォンがあればビデオチャットを利用したオンライン面接が可能となっています。

さらに応募書類の提出も含め、すべてオンラインで行っています。

 

 

■まとめ

導入事例でご紹介したオンライン面接以外にも、画面上に流れる面接官の動画に学生が質問への回答を自ら撮影する「セルフ面接」という方法もあり、履歴書の上位互換になり得る面接手法として注目されています。

オンライン面接は急速に導入企業を増やしているものの、まだメジャーとは言い難く、改善点も多く残されています。

だからこそ、工夫次第でまだ誰も実践していない効率的な面接方法が生まれる期待も集まっているのです。

 

低コストによる面接の効率化や、より優秀な人材の確保を狙えるオンライン面接――この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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