会社における人事の役割とは、人材の採用・労務管理はもちろん、総務や広報など、様々な要素を含んでいます。
だからこそ、初めて人事の仕事に携わる方には「何からやればよいの?」と考えてしまう方も多いのでは。
今回は、そんな悩める新任人事の方に向けて、人事として何を抑えていけばよいのか、そのポイントをまとめました。
自社のことを良く知る
人事として、まず何よりも大切なことは会社のことを誰よりも理解すること。
会社について質問を受けた時にすかさず答えられることが、信頼される人事への第一歩です。
会社の歴史や事業内容、各業務に関すること、経営状況、更には業界知識や今後の展望まで、あらゆる情報に精通しておくことで、求職者からの問い合わせや就活イベントなどでの会社紹介をスムーズに行うことができ、会社に対する好印象につながります。
また、人事異動、昇給・昇格、研修などの社内的な業務においては、従業員の顔と名前がすべて一致するようになることも重要です。
どんなに大きな会社であっても、一定以上の役職者の名前と顔、仕事を知っておく必要があります。
会社における「人」に関する課題を解決する仕事だからこそ、一人ひとりと向き合うという姿勢を大切にしてください。
コミュニケーション能力を高める
社内外の様々な人と接する機会の多い人事の仕事では、会社の魅力を伝えたり、かかわる人の想いに寄り添いながら業務を遂行していきます。
そのために求められるスキルは大きく2つです。
聞く力を高める
採用面接や昇降格・労務問題等の解決は、対話を通じて相手の本音を聞き出すことができれば、ほぼ成功したと言っても過言ではありません。
対話時の聞く姿勢はもちろんですが、日々のコミュニケーションでしっかりと信頼関係を構築し、話しやすい環境を整備していくことを心がけてください。
伝える力を高める
会社説明会、学校訪問など、会社のことを人に伝える機会も多くあります。
その時にいかに会社のことを魅力的に伝えられるかどうかは、採用成果に直結します。
トークスキルはもちろんのこと、Powerpointや会社パンフレットなどのツールなどを駆使しながら、自分のスタイルを確立していってください。
労務の知識をつける
昨今、国内のコンプライアンス意識の高まりにより、長時間労働や残業代未払いなどが社会問題として取り沙汰されるようになりました。
経営リスクにも直結する労務問題は、人事としても見逃すことができない大きな課題です。
人事として、これら労働問題に関する情報や法規への理解は、会社と社員の間に立って経営陣へ提言していく上でも重要なスキルといえます。
とはいえ、特別な勉強や取り組みは必要ありません。
日々のニュースをチェックし、気になるポイントを調べるなどして理解を深めていけば、自然と知識が身に付きます。
また、万が一問題が発生した時に、どのように解決へ導けば良いかを考えることも大切です。
会社の顧問弁護士や社労士とも相談しながら、万全の態勢を整えていきましょう。
ライティングスキルを磨く
求人広告や、会社のWebサイトの更新、ブログ・SNSなど、意外と文章と向き合う機会が多いことも特徴です。
時には人事自身が執筆を行うこともあり、そのドキュメントの量は相当なものになります。
ライティングスキルをはじめとした文章力を磨くことは、実は人事の業務では大いに役立つスキルなのです。
ライティングスキルを磨いていくためには、まず数をこなすこと。
最初は先輩の書いた文章や、他社の求人広告を参考にしたり、テンプレートなどを流用していくことからスタートしてみてください。
その中で少しずつ慣れていけば、次第にクオリティがあがり、長文を書くことも苦にならずできるようになっていきます。
まとめ
会社や法規への理解、コミュニケーションやライティングのスキルなど、学ぶべきことが多岐にわたる人事の仕事。
そのすべてを一気に習得していくことは容易ではないでしょう。
まずは自分の得意分野から習得していくことをおすすめします。
そのほうが無理なくスキルアップをしていくことができますし、自分自身への自信にもつながっていくはずです。