求人方法には、紙媒体や求人サイト、SNSなど様々な方法があります。
しかし、多様化する求人方法に「種類が多すぎてよく分からない」「結局何が良いの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は求人方法の種類とそれぞれの特徴をご紹介します。
また、求人方法を考える際に気をつけたいことや、採用成功のためのポイントも解説していきますので、ぜひご覧ください。
求人方法にはどんな種類がある?
求人方法には様々な種類があります。
まずは、どういった求人方法があるのか把握しましょう。
現在、主に利用されている求人方法は、
・求人広告
・ハローワーク
・大学などの就職支援課
・合同説明会
・自社採用サイト
・人材紹介
・人材派遣
・SNS採用(ソーシャルリクルーティング)
・リファラル採用(社員紹介)
・Indeedのような求人特化型検索エンジン
です。
採用活動を成功させるには、各求人方法の特徴を理解して最適な求人方法を選択することが重要です。
【10選】求人方法の特徴
では、先述の求人方法の特徴について詳しく見ていきましょう。
求人広告
求人広告には、インターネットの求人サイトを利用する「Web媒体」と新聞やフリーペーパーを利用する「紙媒体」の2つの媒体があります。
Web媒体
「マイナビ」や「リクナビ」といった求人サイトに掲載する、最もポピュラーな方法です。
求人サイトは、いつでも・どこからでも応募できるため、多忙な求職者にも利用しやすいです。
また、求職者が登録した会員情報をもとにスカウトすることもできます。
なお、近年は「女の転職type」などの女性専用サイトや、「Re就活」といった第二新卒向けサイトのように、特化型の求人サイトも多数出てきています。
【特徴】
・紙媒体より掲載できる情報量が多く、写真や動画も載せられるため、職場の雰囲気を伝えやすい
・ダイレクトメッセージを送って、求職者にアプローチすることも可能(媒体による)
・求人作成から掲載までの期間が短く、掲載後の修正も可能(修正は有料の場合もある)
【費用】
パート・アルバイト…数千円~
新卒…35万円~
中途…20万円~
(媒体や企画、掲載期間によって異なる)
料金システムは、応募の有無にかかわらず料金が発生する「掲載課金型」が主流
応募者・採用者数に応じて課金される「成果報酬型」もある
【利用者】
10代~40代(媒体による)
会員登録して求人検索しているため意欲的な人が多い
紙媒体
駅やコンビニといった人目につきやすい場所に設置されている「求人情報誌」や「折り込みチラシ」、「新聞の求人広告枠」に求人情報を掲載する方法です。
紙媒体は、全国版といくつかの地域に区切って発行されるエリア版があります。
利用者・読者の数や層、配布エリアを加味したターゲティングができるため、地域密着型の採用向きです。
また、紙媒体は一覧性があるため、たまたま求職者の目に留まって応募に繋がることもあります。
【特徴】
・地域密着型の採用に強みを発揮する
・Webへの同時掲載も可能(媒体による)
・一覧性があるため、偶然求職者の目に留まり応募に繋がることもある
・発行後の修正・変更はできないため、注意が必要
【費用】
1万円~数百万円
原稿サイズやエリアによって掲載料金が設定される
【利用者】
各媒体の発行エリアの利用者で属性は様々
(新聞を利用した求人の場合、若年層よりも高年齢層向け)
ハローワーク(公共職業安定所)
事業所の住所を管轄するハローワークに求人掲載する方法で、費用は掛かりません。
ハローワークは、
・事業所登録シート(未登録の場合)…事業者名や住所などの基本情報
・求人申込書…仕事内容や給与といった求人情報
に登録した内容に沿って求人票が作成されます。
作成された求人は、ハローワーク内の求人情報端末や掲示板、ハローワークインターネットサービスで公開される仕組みです。
無料で利用できますが、掲載の事務手続きや応募者対応は自社で行う必要があるため、手間が掛かります。
また、求人票に掲載できる内容は限られているため、自社の魅力を伝えにくく、採用ターゲット以外からの応募も少なくありません。
【特徴】
・無料で求人情報を掲載できる
・助成金が出る場合もある
・事務手続きや応募者対応に手間が掛かる
・採用ターゲット以外からの応募が増える可能性がある
【費用】
無料
【利用者】
20代~60代
大学などの就職支援課
大学・専門学校などに設置されている就職支援課や、キャリアセンターを通じて求人情報を掲載する方法です。
求人票の掲載手続きは学校によって異なりますが、
・各学校のサイトから求人受付を申し込む
・ダウンロードした求人票をメール・FAX・郵送にて申し込む
方法が一般的です。
無料で掲載できますが、学校ごとにコンタクトを取るため、手間が掛かります。
【特徴】
・無料で求人情報を掲載できる
・学校の特徴から学生の特徴も分かる
・学校ごとに掲載する必要があるため、手間が掛かる
・応募数の予測が難しい
【費用】
無料
【利用者】
新卒生
合同説明会
就職・転職イベントや合同説明会会場にブースを出展し、参加者に自社の情報を提供する方法です。
数十社程度の小規模な合同説明会から、数千人が参加するビッグイベントまで様々なイベントが全国各地で開催されています。
自由に企業のブースへ出入りできるため、より多くの求職者に事業内容や自社の魅力を知ってもらえます。
【特徴】
・参加者と直接話すこともできるため、選考へ誘導しやすい
・学部・学科限定や業界特化型など、採用ニーズに合わせたイベントがある
・大規模イベントの場合、多くの求職者に会える一方、他の企業に埋もれてしまう可能性もある
・中小規模のイベントの場合、参加者とじっくり話すこともできるが、参加者が少ないため良い人材に会える確立も下がる
【費用】
30万円~数百万円
【利用者】
20代~50代
イベントによって異なる
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自社サイト
自社サイトの採用ページや採用専用サイトを制作し、採用活動を行う方法です。
求人広告で募集する場合、掲載できる写真や情報は限られているため、自社の魅力が上手く伝わらないこともあります。
しかし、自社サイトにデザインや掲載情報の制限はありません。
そのため、オフィスの風景や社員の写真、インタビュー動画などを掲載することで、企業や仕事内容への理解を促進することができます。
【特徴】
・情報量やデザインに制限がなく、自社の魅力を伝えやすい
・企業や仕事への理解を促進できるため、応募者の質を上げることができる
・サイト制作を外部へ委託する場合は、費用が掛かる
・長期的に運用していけば費用を掛けずに採用できる
【費用】
10万円~数百万円
テンプレート型やオーダーメイド型などによって大きく異なる
【利用者】
採用ターゲットを集めることができる
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人材紹介
人材紹介会社に求める人物像を伝え、条件に合う人を紹介してもらう方法です。
人材紹介は、採用が成功した際に紹介料が発生する「成功報酬型」で、一般的には採用者の年収の3割程度が相場とされています。
採用単価は高いですが、応募や面接、応募者とのやり取りといった、選考に掛かる手間を軽減でき、欲しい人材をピンポイントで採用できます。
【特徴】
・採用するまで費用が掛からない
・採用業務の負担を軽減できる
・求める人物像をピンポイントで採用できる
・採用コストは高め
・採用ノウハウを蓄積できない
【費用】
100万円程度~
採用者の年収の3割程度が相場
(年収400万円の人を1名採用した場合、120万円)
【利用者】
新卒~経営幹部まで多岐に渡る
サービスによって異なる
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人材派遣
人材派遣会社が雇用している派遣スタッフを、時給換算で一定期間派遣してもらう方法です。
一定期間スタッフを派遣してもらう「一般派遣」では、事前面談や履歴書の確認などができないため、人材を選ぶことはできません。
ただし、直接雇用を前提として一定期間(最長6ヶ月)派遣される「紹介予定派遣」の場合、事前面談や履歴書確認が認められています。
人材派遣は、特定のスキルを持つ人材を必要に応じて雇えるため、「繁忙期の間だけ人を雇う」など、自社の都合に合わせた柔軟な雇用が可能です。
【特徴】
・必要な時に、必要な人材を、必要な期間雇える
・教育費や採用コストを削減できる
・派遣される人材を選択できない
・自社の社員として育たない
【費用】
「派遣スタッフの時給」×「労働時間」
内訳:本人の給与や社会保険料が約8割、派遣会社の諸経費・利益が約2割
※時給は、本人のスキルや経験、業界によって異なる
【利用者】
20代~50代と幅広く、女性が多め
特定のスキルに長けている人材が多い
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)
TwitterやInstagram、Facebookといった、SNSを利用して採用活動を行う方法です。
ソーシャルリクルーティングは、企業と求職者が互いに情報を確認でき、メッセージでのやり取りも可能なため、相互理解が深まります。
企業側は、投稿内容からある程度求職者の特性を知ることができますし、話題性のある投稿やSNSを通した気軽なやり取りによって、イメージアップも図れます。
手間はかかりますが、無料のツールを利用するため、運用が上手くいけば大幅に採用コストを削減できるでしょう。
【特徴】
・双方向のコミュニケーションができるため、理解が深まりミスマッチ採用を軽減できる
・SNSの拡散力によって、公募では出会えない人材にもアプローチできる
・長期に渡って継続的に運用する必要がある
【費用】
無料(Twitter・Instagram・Facebook)
【利用者】
10代~40代
若年層が中心だが、ツールによって属性は異なる
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リファラル採用(社員紹介)
在籍している従業員に人材を紹介してもらう方法です。
自社の風土や仕事内容を理解している従業員が自分の知人を紹介するため、ミスマッチが起こりにくく、採用コストも掛かりません。
多くの企業では、「入社後数ヶ月経過時点で〇万円支給」のように、紹介者へのインセンティブを設けています。
また、紹介者との関係が悪化するとどちらかが退職したり、良好な関係ゆえにどちらかが退職するともう一方も退職したりする可能性もあるため、注意が必要です。
【特徴】
・従業員が知人を紹介するため、ミスマッチ採用を軽減できる
・採用コストを大幅に削減できる
・紹介者との関係によっては、気を使う必要がある。
【費用】
無料
3万円~10万円程度のインセンティブを支給する企業が多い
【利用者】
自社従業員と同年代が多い
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リファラル採用とは?メリット・デメリットと成功させるコツをご紹介
Indeedのような求人特化型検索エンジン
求人情報専門の検索エンジンである「Indeed」を活用する方法です。
Indeed内に求人広告を掲載したり、自社サイトの採用ページを連携させたりすることで、求人募集を行います。
Indeedは無料掲載も可能ですが、露出の高い有料掲載の方が効果を見込めます。
また、自社採用サイトをIndeedへ掲載させるには、
・求人タイトル/職種/給与/勤務地が記載されている
・1つの求人ページに対し、雇用形態/職種名/勤務地は1つだけ
・求人情報の一覧ページがある
・応募ボタンから応募できる
の条件を満たした上で、Indeedへ連携を依頼しなくてはなりません。
【特徴】
・無料掲載可能
・自社サイトを連携できる
・コストを抑えられる
・月間利用者数は2300万人超と日本最大
・無料広告の場合、他の広告に埋もれやすい
・自社採用サイトを連携させるには、条件を満たす津用がある
【費用】
無料
有料広告もあり
【利用者】
若年層~シニア層まで多岐に渡る
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【採用課題別】求人方法を考える際に気を付けるべきこと
各求人方法の特徴が分かったところで、求人方法を考える際に気をつけることを採用課題別に見ていきましょう。
応募が全然来ない
求人広告への掲載で募集を出しているのに応募が来ない場合、
・給与や勤務時間といった待遇面に課題がある
・ターゲットに広告が見られていない
・自社の魅力が伝わっていない
・募集職種自体の人気がない
などの原因が考えられます。
まずは、採用競合や市場調査を行い、自社の強み・弱みを把握しましょう。
しかし、「どういった企業が自社の採用競合に当たるのか」判断するのは難しく、調査にも手間と時間が掛かります。
採用競合ではない企業の調査をしてしまうと、成果に繋がらないばかりか、時間を無駄にすることになるため、求人広告代理店などのプロに相談するのがおすすめです。
また、複数の求人サイトへの掲載や自社採用サイト、SNSの活用によって露出を高め、求職者の目に触れる機会を増やしましょう。
応募は来るが、求めている人材が応募してこない
求める人物像が応募してこない場合、
・企業側の理想が高い
・求める人物像が明確化できていない
・採用戦略に課題がある
と考えられます。
掲載している求人内容とターゲットの求める内容に乖離がある可能性があるため、まずは求める人物像(ペルソナ)を明確化させてください。
ターゲットが明確になったら、求人原稿や求人サイトの見直しや、SNSを活用してアピールしましょう。
特徴やユーザー属性はそれぞれ異なるため、ターゲットの利用しそうなメディアを選ぶことが重要です。
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採用活動に必須の「ペルソナ」とは?設定方法やその効果をご紹介
応募数が足りない
「応募者の質は問題ないが、応募数が足りない」という場合は、露出を増やすことが重要です。
例えば、
・複数の求人サイトに掲載させる
・掲載期間を長くする
・Indeedへの有料掲載や自社採用サイトとの連携
・SNSの活用
によって、露出を増やすことができます。
採用コストを削減したい
採用コストの高さに課題を感じている場合、
・離職による採用コストの発生
・費用対効果の低い採用手法を行っている
といった原因が考えられます。
まずは、各媒体の費用対効果を明確にし、どのくらい採用コストが掛かっているのか把握しましょう。
費用対効果が低い場合は、求人原稿の見直しや求人媒体の見直しをすることで改善に繋がります。
また、従業員の知人を紹介してもらう「リファラル採用」なら、広告費が掛からないため、大幅にコストを抑えられますし、離職率の軽減も実現できるでしょう。
ただし、都合よく求める人材が従業員の周囲にいるとは限らないため、あくまで補助的な採用手法として、求人広告掲載などと併用してください。
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採用力を高めたい
採用力は、優秀な人材を採用する力であり、
採用力=「企業力」「労働条件」「採用活動」
の公式で表現されることが多いです。
企業力…企業規模や知名度、ブランド力
労働条件…給与などの待遇
採用活動…媒体選定や受付対応、採用マーケティングなど
中小企業は、「企業力」や「労働条件」で大手企業よりも不利な状況になるため、「採用活動」の見直しを行う必要があります。
求人のプロである求人広告代理店への相談や、マーケティングの知識・技法を採用活動に取り入れる「採用マーケティング」を行うことで、採用力を高めることができます。
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【おまけ】採用成功のための4つのポイント
採用活動を成功させるためには、
・求める人材の明確化
・自社に適した求人媒体の選定
・求職者に魅力を伝える求人原稿
・採用代行サービスの利用
の4つのポイントがあります。
それでは、詳しい内容を見ていきましょう。
求める人材の明確化
求める人物像の明確化は、採用活動の軸となる最も重要な工程です。
募集職種の現場からもヒアリングし、年齢や性別、求めるスキル・経験、性格などを洗い出しましょう。
また、設定する条件が現実的なものとなるよう、「MUST(必須)」「WANT(あると望ましい)」「NEGATIVE(不要)」の3つに分類していくことで、求める人物像が明確化されます。
求める人物像が明確化されることで、その人物が利用しそうなメディアや効果的な求人原稿の作成、採用基準の設定といった具体的な戦略を立てることができます。
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自社に適した求人媒体の選定
求める人物像が明確化できたら、ターゲットが利用しそうな求人媒体を選定します。
「付き合いがあるから…」「大手だから…」という理由で決めてしまう企業も多いですが、利用する媒体にターゲットがいなくては意味がありません。
求人広告は、採用成果にかかわらず掲載時点で費用が発生するため、適切な媒体を選ばないと、コストがかさんでしまいます。
効率的に採用活動を行うには、「エンジニア採用に強い」「女性ユーザーが多い」「上位大学の学生が多い」など、各媒体の特徴を的確に把握し、採用ニーズに合った媒体で募集することが重要です。
ただし、数多くある媒体の特徴を企業が把握するのは困難なため、どの媒体が適しているのか、求人広告代理店に相談するのが良いでしょう。
求職者に魅力を伝える求人原稿
ターゲットが多く利用している媒体を見つけても、魅力が伝わらなければ募集には繋がりません。
求人原稿を作成する際は、
・どのような仕事であるのかイメージできるよう、仕事内容は具体的に記載する
・表現はできる限り明確にする
に注意して作成しましょう。
例えば、一口に未経験者といっても、「Officeの基本的な操作はできてほしい」「業界未経験でもいいけど、販売経験は欲しい」のようなケースがありますよね。
ターゲット以外の応募増加によって、担当者の手間が増える可能性も考えられるため、明確に表現する必要があるのです。
例)事務職未経験歓迎!ExcelやWordの基本操作ができればOK
採用代行サービスの利用
様々な求人方法をご紹介してきましたが、なかなか上手くいかないときはプロに任せてしまうのも一つの手です。
採用代行サービスは、採用業務の一部または全ての工程を代行会社へ委託するサービスです。
請け負っている内容は代行業者によって異なりますが、
・採用戦略の企画
・母集団形成
・応募者対応
・書類選考/面接選考
・内定者フォロー
などの業務を委託することができます。
書類選考や面接日程といったノンコア業務を代行業者へ委託すれば、採用担当者の負担が軽減されるため、採用戦略や面接選考のようなコア業務に専念できるようになります。
また、SNS運用や選考データの分析、面接官の育成も可能サービスもあるため、自社の課題に合わせたサービス導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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採用コンサルティング・採用アウトソーシング(RPO)どっちがいい?
採用成功には求人方法選びが重要
ご紹介した通り、求人方法には様々な種類があります。
採用の成果はどういった求人方法を選ぶかによって大きく変わるため、この記事でご紹介した内容を参考に、最適な求人方法を検討してみてください。
また、「人手が足りない」「とにかく成果を出したい」とお考えの企業は、採用代行業者を利用してみてはいかがでしょうか。