採用市場が厳しくなっている現在、新卒採用に苦戦している企業も多いのではないでしょうか。

 

少子化の影響を受けて、今後はさらに若年層の獲得が難しくなると予想されています。

 

企業にとって喫緊の課題となっている人材確保ですが、守るべき点を間違えなければ採用成功にぐっと近づくことができます。

 

今回は、採用活動を行う上で守るべきルールについてご紹介していきます。

 

まだまだ続く?採用難の本番はこれから『2021年問題』

大卒求人倍率が1.83倍(参考:リクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査」)と空前の売り手市場が続いていますが、今後はさらなる若年層の人口減少で、一層厳しい採用難が訪れるのはご存じでしょうか。

 

 

参考:浜銀総合研究所「人手不足に拍車をかける「新卒採用の2021年問題」

 

上記は、就職活動を始める22歳の人口推移を表したグラフで、2021年以降に急速に減少していく予想となっています。

 

そのため、2022年3月卒の就活時期にあたる2021年頃から内定者を確保しづらくなることが推測され、これを2021年問題と呼びます。

 

また、経団連の就活ルールによって、どの企業もある程度の採用スケジュールが揃っていましたが、2019年を最後にこのルールも廃止される予定になっています。

 

2021年以降は時代に合わせて、採用活動の時期や新しい手法取り入れて間口を広げるなどの工夫が必要になってくるでしょう。

 

なぜ、新卒採用で失敗するのか

優秀な人材に出会えない

「応募が来ない」「優秀な人材に出会えない」など、希望する人材に出会えないケースだと下記の要因が考えられます。

 

・自社の求める人物像が明確化されていない

・質のいい母集団形成ができていない

 

求める人物像の明確化は、採用活動を行う上で最も重要なポイントです。

 

ターゲット層の利用者が多い媒体を選定すれば、母集団形成もしやすくなるため、まずは人物像を確認してみましょう。

 

選考辞退が多い

選考辞退は珍しくありませんが、あまりにも多い場合、下記が考えられます。

 

・選考スピードや連絡が遅い

・仕事内容などの説明不足

 

少しでも魅力ある企業へ就職するため、就活生のほとんどは複数の企業に応募しています。

 

他企業と比較検討されやすいため、面接官の対応や採用フロー見直し、問題がないか確認しましょう。

 

内定辞退が多い

内定を出したからといって、安心してはいけません。

 

内定辞退の要因は下記が考えられます。

 

・内定者フォローが十分でない

・採用競合に魅力負けしている

 

優秀な人材は、複数内定を貰っていることが多く、最も自分にマッチする企業を比較検討しているケースも多々あります。

 

定期的な連絡や、内定者懇親会などで企業理解や人間関係を構築し、入社意向を固めましょう。

 

内定者フォローについては『適切な内定者フォローとは?内定辞退を減らすためにできること』で詳しくご紹介しています。

 

早期離職が多い

入社後すぐの離職は、下記の要因が考えられます。

 

・イメージと現実のギャップによるミスマッチ

・人間関係が構築できない

 

「思っていたのと違った」という入社後ミスマッチは、十分に理解できていないことから発生します。

 

良い情報ばかりではなく、仕事の厳しい点や、学生から求められた情報をしっかり開示し、適宜フォローを入れることが重要です。

 

ミスマッチが多い企業ではリファレンスチェックも有効な手段の一つです。『ミスマッチを防ぐ!外資系企業の8割が行うリファレンスチェックとは?』で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

 

新卒採用で絶対に守るべき5つのルール

求める人物像を明確化させる

『求める人物像の明確化』は、採用活動を行う上で、まず初めに取り組む必要のある重要な工程です。

 

実在するくらい詳細に人物像を練り上げ、出来上がったペルソナをベースに、思考や行動を分析しましょう。

 

ターゲットとなる層へ効率的に訴求できるメッセージや、適した媒体が選択しやすくなります。

 

質のいい母集団を形成する

応募者を集めるには、さまざまな媒体を使って母集団を形成する必要があります。

 

母集団はただ多ければ良いというわけではなく、その中にどれくらいターゲットとなる人材が含まれているかという質も重要となります。

 

求める人物像を明確化したら、ターゲットとなる人材が多く利用している媒体を活用すると、効率的に候補者を集められます。

 

選考フローの見直し

選考のスピードや回数、内定出しのタイミングは、複数応募している学生にとって重要なポイントです。

 

選考結果の通知や内定通知のタイミングが遅く、他社に流れてしまうケースもあります。

 

長すぎず、見極めが十分できるくらいの適度なフローになっているか見直しましょう。

 

選考基準を明確にする

曖昧な選考基準だと、面接官の主観に大きく影響され、適正に判断できません。

 

求める人物像をもとに “必ず欲しい要素”や“あれば嬉しい要素”などを洗い出し、質問事項と採用基準を設定し、面接官によるブレを低減させましょう。

 

内定者フォローを行う

採用市場が厳しい近年、多くの企業で人材確保に力を入れています。

 

内定~入社までに企業から何の連絡もないと、内定者が不安を感じて他企業へ流れるケースも多いです。

 

適切なフォローで内定者が感じている不安を解消しましょう。

 

ただし、あまりに頻度が高いと『オワハラ』と捉えられる可能性があるので、連絡や面談、内定者懇親会などの内定者フォローは適度に行いましょう。

 

オワハラに関する記事は「その面接、オワハラかも?人事が知っておくべきオワハラの実態」をご覧ください。

 

これからの時代をつくる新しい採用方法

2021年問題や、就活ルール廃止により、今後の採用市場は大きく変わります。

 

優秀な人材を獲得するには、採用時期や方法を時代に合わせて変化させなくてはなりません。

 

そこで、これからの新しい採用方法についてご紹介していきます。

 

ダイレクトリクルーティング

従来の『求人情報を掲載して応募を待つ』という守りの採用ではなく、企業が人材データベースから自社に合う人材を探し、コンタクトを取って採用に繋げる攻めの採用です。

 

詳細は「攻めの採用、「ダイレクトリクルーティング」とは」にてご紹介しています。

 

逆求人

ダイレクトリクルーティングの一種で、逆求人サイトなどに登録してある学生のプロフィール情報や自己PRに興味を持った企業が直接アプローチする手法です。

 

詳細は「新卒採用の新常識、逆求人とは?」にてご紹介しています。

 

リファラル採用

縁故採用とも呼ばれており、すでに在籍している社員から人材を紹介してもらう方法です。

 

自社にマッチした人材を採用しやすく、コストの削減にも繋がります。

 

詳細は「リファラル採用とは?」にてご紹介しています。

 

ソーシャルリクルーティング

FacebookやInstagramなどのSNSを活用して、企業の採用情報を発信することで、求職活動を行っていない転職潜在層にも広くアピールできる手法です。

 

身近なツールでコミュニケーションを取り合うことで、お互いについての理解が深まります。

 

詳細は「ソーシャルリクルーティングとは?」にてご紹介しています。

 

まとめ

2021年以降、就活を始める22歳人口が急速に減少することで、今までのような採用方法では、十分に応募者を集められなくなる可能性があります。

 

人員確保がさらに厳しくなる今後は、攻めの採用や、転職潜在層へ広くアピールできる方法など、従来の採用と合わせて間口を広げていく必要もあるでしょう。

 

採用活動時は、ご紹介した5つのルールを徹底して内定者を確保し、ミスマッチを防ぐことが大切です。

 

目まぐるしく変わる市場の変化を見逃さず、人材確保できるよう常に先手を打てるよう備えましょう。

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